Jun 09, 2026
【活用レシピも】くずきりとは?ところてん・春雨との違いや栄養、作り方を解説
夏の甘味処でよく見かける、透明で涼しげな和菓子といえば「くずきり」。つるりとしたのどごしに黒蜜の甘さが重なり、見た目にも食感にも清涼感があり、和菓子好きにはおなじみの一品です。
一方で、ところてんやわらび餅との違いや、栄養について気になる人もいることでしょう。
この記事では、くずきりの原料や特徴、栄養について解説します。さらに基本の作り方や、スイーツから料理まで幅広い楽しみ方、保存方法までまとめて紹介します。
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くずきりとは?透明感のある和菓子

くずきりは、「葛(クズ)」という植物の根っこから丁寧に取り出されたでんぷんを水で溶かし、熱を加えて板状に固めたあと、細長く切って作られる食品です。きりりと冷やして、黒蜜やきなこを添えていただくのが定番の楽しみ方。古くから、日本の夏を彩る風物詩として親しまれてきました。
よく似た名前の「くずもち」と混同されることもありますが、実は作り方が少し違います。くずきりが葛粉を使って麺のように仕上げるのに対して、くずもちは小麦でんぷんを乳酸発酵させて作られます。ここでは、くずきりの基本的な特徴や、似ている食品との違いについて紹介します。
原料は葛粉(くず粉)

葛粉は、マメ科のつる植物である葛の根から取り出したでんぷんを乾燥させたもの。葛の根にはでんぷんが多く含まれており、砕いて水にさらすことで純粋なでんぷんを取り出すことができます。
主成分はでんぷんのため、水に溶かして加熱するととろみや粘りが生まれ、冷やすとぷるんとした弾力のある食感になります。この特性を生かして、葛粉はくずきりだけでなく、葛湯や精進料理の胡麻豆腐などにも使われています。
透明でつるっとした食感が特徴

くずきりの大きな魅力は、透き通るような見た目と独特の食感。加熱前は白く濁っている葛粉の液体も、加熱して冷やすことで透明になり、涼しげな見た目に変わります。つるりとなめらかな口当たりで、ほどよいもちもち感がありながら、後味はすっきりとしているのも特徴です。
生くずきりと乾燥くずきりがある

くずきりには、大きく分けて「生タイプ」と「乾燥タイプ」の2種類があります。
生くずきりはすぐに食べられる状態で販売されており、ぷるんとした食感が楽しめます。ただし日持ちはあまりしません。
一方、乾燥くずきりは保存性が高く、食べる前に茹でて戻します。スーパーでも手に入りやすく、家庭で使いやすいのは乾燥タイプです。
カロリーは乾燥状態で100gあたり341kcalほど。茹でると水分を含むため100gで約139kcalまで下がります。生くずきりも、茹でた状態と同程度のカロリーと考えてよいでしょう。
ところてんやわらび餅、春雨との違いは?

くずきりは、見た目や食感が似ている食品と混同されることがありますが、原料はそれぞれ異なります。
たとえば「ところてん」や「寒天」は、天草という海藻が原料です。そのため、カロリーはほぼゼロに近く、くずきりとは大きな差があります。

「わらび餅」は本来、わらびの根から採れるわらび粉を使って作られます。ただし市販品の多くは、タピオカでんぷんなど別のでんぷんが使われています。

そして「春雨」は、緑豆やじゃがいものでんぷんを原料にした食品です。乾燥状態のカロリーはくずきりと近いものの、茹でた後ではくずきりの方がやや高くなる傾向があります。
それぞれの個性を知っておくと、その日の気分や献立に合わせた楽しみ方ができそうですね。
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くずきりの栄養と期待できる効果
くずきりの主成分はでんぷんで、体のエネルギー源となる炭水化物が中心。見た目はシンプルな食品ですが、原料となる葛には注目される成分も含まれています。ここでは、くずきりの栄養やカロリー、原料である葛に期待される働きについて見ていきましょう。
葛粉に含まれる成分と栄養成分

葛粉110g(約1カップ)あたりの栄養成分を見ると、炭水化物は約94gと多く、そのほとんどが糖質です。たんぱく質と脂質はそれぞれ0.22gほどで、量としてはごくわずか。
注目すべきは、葛に含まれるフラボノイド系の成分です。大豆の成分としても知られるダイジン・ダイゼインをはじめとするイソフラボン類が含まれており、ホルモンバランスへの作用が期待されています。
またビタミン・ミネラルのなかでは、鉄と銅の含有量が比較的多く見られます。
くずきりの原料「葛」に期待される働き

葛の根を使った漢方薬としてよく知られているのが「葛根湯(かっこんとう)」。7種類の生薬から成る漢方薬で、発汗作用と血行促進作用があり、風邪のひき始めの寒気や肩こりに用いられることで広く知られています。
また、葛粉は料理のとろみ付けにも使われる素材です。じゃがいも由来のでんぷんである片栗粉は体を冷やす性質があるといわれるのに対し、葛粉はマメ科植物の根由来で、体を温める食材として扱われることがあります。
葛粉をお湯で溶いた葛湯は、食べ過ぎや飲み過ぎの後に体を整える飲み物として親しまれてきました。
くずきりのカロリー

茹でたくずきりのカロリーは、100gあたりおよそ139kcal。黒蜜を大さじ1〜2ほどかけると約30kcalほど加わるため、一人前では160〜170kcalほどになります。白ご飯のお茶碗一杯がおよそ150kcalといわれているので、同程度かやや多いくらいのエネルギー量です。
ところてんや寒天は100gあたり2〜3kcalとほぼゼロに近いため比べると差はありますが、洋菓子などと比べると比較的軽めの和スイーツといえるでしょう。
基本のくずきりの作り方

くずきりは、葛粉と水があれば作れるシンプルな食品。ただし、加熱と冷却のタイミングによって食感が変わるため、工程のポイントを押さえることが大切です。
<材料(2人前)>
・葛粉…50g
・水…150ml
・お湯…適量
・氷水…適量
<作り方>
- 葛粉をザルでこしながらボウルに入れ、水を加えてよく混ぜ合わせ、溶けたらもう一度こしてなめらかにする
- バットに深さ5mmほどの厚さで流し入れる
- 大きめのフライパンにお湯を沸かし、バットをトングなどで支えながらお湯の上に浮かせる
- 表面が白く固まり始めたら、そのままバットをお湯に沈める
- 全体が透明になったらすぐに取り出し、氷水に浸けて冷やす
- 氷水の中でバットからはがし、濡らしたまな板の上で細長く切る。
- 器に盛って完成
葛粉は塊になりやすく、水に溶けにくい性質があります。あらかじめザルでほぐしてから水を加えると、なめらかに仕上がります。
くずきりの食べ方とおすすめレシピ
くずきりは、黒蜜やきなこをかけてスイーツとして食べるのが一般的ですが、やさしい味わいと独特の食感を活かして料理に使うこともできます。ここでは、くずきりのおすすめのレシピを紹介します。
【おやつ】黒蜜ときな粉をかけて食べる

くずきりのいちばんの楽しみ方は、やはり冷やして黒蜜ときなこを添えるシンプルなスタイル。よく冷えたくずきりに、艶やかな黒蜜をたっぷりとかけると、つるりとした心地よい食感と蜜の濃厚な甘みが絶妙に溶け合います。さらにお好みできなこを合わせれば、香ばしさがふわりと広がり、より豊かな風味を楽しめますよ。暑い日のおやつにはもちろん、食後のデザートにもぴったりのひと品です。
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【スープ】くずきりと卵のスープ

乾燥タイプのくずきりは、スープの具材としても大活躍します。軽く茹でたくずきりを鶏がらスープに加え、仕上げに溶き卵をふんわりと回し入れるだけで、喉越しのよい中華風スープの完成です。くずきりのもちもちとした食感にスープがよく絡み、しっかりと食べごたえのある一皿に。
【サラダ】くずきり中華風サラダ

春雨の代わりにくずきりを使えば、いつもより少し贅沢な、もちもち食感の中華風サラダが楽しめます。茹でて冷やしたくずきりに、きゅうりやハム、錦糸卵などを彩りよく合わせ、ごまだれやポン酢で和えるだけ。さっぱりとしていながらも満足感があり、夏の副菜や弁当のおかずにもおすすめです。
【炒め物】くずきりチャプチェ風

くずきりは、韓国料理の定番「チャプチェ」のような炒め物にもおすすめ。牛肉やたっぷりの野菜をごま油で炒め、醤油、みりん、砂糖で甘辛く味付けしたところに、茹でたくずきりを加えて絡めます。春雨よりもしっかりとした弾力があり、味が染み込みやすいのが特徴です。
【鍋の具】春雨やマロニーの代わりに使う

煮崩れしにくいくずきりは、鍋料理の具材としてもおすすめ。春雨やマロニーの代わりにそのままお鍋に入れるだけで、美味しいお出汁をたっぷりと吸い込んだ、もちもちのくずきりが楽しめます。煮物に使っても形が崩れずしっかり残るので、筑前煮や鶏の煮物などに加えて、その食感を楽しんでみてくださいね。
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くずきりの保存方法
くずきりはタイプによって保存方法と賞味期限が異なります。
●乾燥くずきり
保存場所:高温多湿を避けて常温で保存
賞味期限:開封前の賞味期限は2年ほど
開封後はできるだけ早めに使い切るようにしましょう。
●生くずきり
保存場所:直射日光と高温多湿を避けて保存
賞味期限:60日ほど
作りたての食感を楽しめる反面、日持ちが短いため、購入後は早めにいただくのがおすすめです。
●葛粉
保存場所:乾燥した冷暗所での常温保存
保存期間目安:約2年ほど
湿気を吸うと固まりやすくなるため、使用後はしっかり密封して保管しましょう。
まとめ|くずきりとは葛粉から作られるつるっとした和菓子

くずきりは、葛の根から生まれた葛粉を丁寧に仕立てた、透明感あふれる和菓子。透明感のある見た目とつるりとした独特の食感が魅力で、黒蜜ときなこをかけるシンプルな食べ方が定番の夏の風物詩です。
それだけでなく、スープや炒め物、鍋料理など料理への応用もしやすいため、乾燥タイプをストックしておくと何かと便利です。ぜひ日常の食卓に取り入れてみてください。
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やち
2015年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は節約と旅行、レジャー。「いかにお金を使わずに最大限楽しめるか?」を考えながら、年数回の海外旅行を楽しんでいます。





