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Oct 01, 2026

【10月におすすめの本】秋の夜長に楽しみたい物語たち|この時期ならではの読書法も紹介

ソファとテーブル テーブルの上にコーヒーと開いた本

日が少しずつ短くなり、風に秋の気配を感じる10月。暑さが落ち着いて過ごしやすくなる一方で、どこかもの寂しさを感じる季節でもあります。そんな秋の時間には、いつもの日常から少し離れて、物語の世界にゆっくり浸れる本を読んでみませんか。

今回は秋の夜長にじっくり楽しみたい6冊をピックアップしました。思わず考えさせられる作品から、心がほっとする物語、くすっと笑える一冊まで、さまざまなジャンルがそろっています。忙しい毎日の中で少しだけ立ち止まり、自分の気持ちと向き合う時間にもぴったりです。秋の夜長のお供に、今の自分に響く一冊を見つけてくださいね。Related【9月におすすめの本】夏の余韻と楽しむとっておきの一冊|この時期ならではの読書法も紹介
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10月におすすめの本

「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」倉知 淳

「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」倉知 淳/実業之日本社文庫
「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」倉知淳/実業之日本社文庫

10月2日は「豆腐の日」。語呂合わせのトウ(10)フ(2)から生まれた記念日です。そんな日に読みたいのが、倉知淳『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』。思わず二度見してしまうようなタイトルの、本格ミステリ短編集です。

 

本の表題作では、戦争末期の研究所で若い兵士が死亡する事件が発生します。現場に残されていたのは、なぜか床に散らばる豆腐の欠片。まるで豆腐の角に頭をぶつけて命を落としたかのような奇妙な状況に、いったい何が起きたのかと興味をそそられます。その他にも不可解な事件や奇妙な謎を扱った作品が収録され、バラエティに富んだミステリーを楽しめます。

 

ユーモアの中にしっかり謎解きが仕込まれているため、最後には思わず「そういうことか!」と唸らずにはいられません。重たい作品の合間に気分転換したいときにもぴったりの一冊です。

「さがしもの」角田 光代

「さがしもの」角田 光代 著/新潮文庫
「さがしもの」角田光代 著/新潮文庫

10月4日は「探し物の日」です。昔の電話番号案内「104番」にちなんだ記念日で、身の回りでなくした物をもう一度探してみる日とされています。そんな日に手に取りたいのが、角田光代『さがしもの』。本をめぐる9つの物語を収録した、読書好きにはたまらない短編集です。

 

本の表題作は、入院中の祖母から一冊の本を探してほしいと頼まれた少女が、わずかな手がかりを頼りに本を探し求めるというもの。そのほかにも、かつて手放した古本との思わぬ再会や、持ち主不明の詩集に挟まれた一通の手紙など、本と人との不思議な縁を描いた物語が並びます。

 

本との出会いは、ただ知識を得るだけではありません。ふと手に取った一冊が、思いがけず自分の気持ちや人生に寄り添ってくれることもあります。読書が好きな人はもちろん、最近心に残る本と出会えていない人にもおすすめしたい一冊です。

「レモンの図書室」作:ジョー・コットリル 訳:杉田七重

「レモンの図書室」作:ジョー・コットリル 訳:杉田七重
「レモンの図書室」作:ジョー・コットリル 訳:杉田七重/小学館

10月5日は「レモンの日」。詩人・高村光太郎の妻、智恵子の命日にちなみ、代表作「レモン哀歌」から名付けられた記念日です。そんな日におすすめしたいのが、ジョー・コットリル作『レモンの図書室』。本を愛する少女の友情と家族の再生を描いた物語です。

 

主人公は、母を亡くし、父と二人で暮らす10歳の少女カリプソ。本の世界を心のよりどころにしていた彼女は、同じく本が好きな転校生メイと出会い、少しずつ友情を育んでいきます。ひとりで頑張ってきたカリプソにとって、その出会いは大きな変化をもたらすことに…。

 

『レモンの図書室』では、本が人の心を支える力だけでなく、家族を支えようとする子どもの姿を通して、ヤングケアラーという社会的なテーマにも触れています。友情や誰かを頼ることの大切さに気づかされ、読み終えたあとにじんわりと心があたたかくなる一冊です。

「神の値段」一色さゆり

「神の値段」一色さゆり 著/宝島社
「神の値段」一色さゆり 著/宝島社文庫

10月7日は「ミステリー記念日」。ミステリー作家で有名なエドガー・アラン・ポーが亡くなった日にちなんで制定されました。そんな日に読みたいのが、一色さゆり『神の値段』。美術作品の価値や美術市場の裏側を描いた、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作です。

 

主な登場人物は正体不明の現代美術家・川田無名。そして彼と唯一つながりを持ち、作品を世に送り出してきた、ギャラリー経営者の永井唯子とそのアシスタントの佐和子です。ある日、唯子は無名が1959年に描いたという「幻の作品」を突然公開しようとします。

 

しかし、その来歴や意図が明かされないまま、唯子は何者かによって殺されてしまいます。残されたアシスタントの佐和子は、作品に記された番号を手がかりに殺人事件の真相や無名の正体を追うことに。謎に包まれた芸術家の秘密へと近づいていきます。

 

『神の値段』は、普段なじみのない現代アートや美術市場の裏側を知ることができ、「芸術の価値は誰が決めるのだろう」と考えるきっかけになる一冊です。ミステリーとして謎を追う面白さはもちろん、作品につけられる「値段」と本当の「価値」の違いにも目を向けたくなるでしょう。

「考えるマナー」中央公論新社 編

「考えるマナー」 中央公論新社 編/赤瀬川原平/井上荒野/劇団ひとり/佐藤優/髙橋秀実/津村記久子/平松洋子/穂村弘/町田康/三浦しをん/楊逸/鷲田清一 著
「考えるマナー」 中央公論新社 編/赤瀬川原平/井上荒野/劇団ひとり/佐藤優/髙橋秀実/津村記久子/平松洋子/穂村弘/町田康/三浦しをん/楊逸/鷲田清一 著

10月30日は「マナーの日」。日常生活で欠かせないマナーを見つめ直し、よりよい社会を考えるための日です。そんな日に読みたいのが、赤瀬川原平ほか作家や芸人12人による『考えるマナー』。身近なマナーの疑問をユーモアたっぷりに考える一冊です。

 

『考えるマナー』では5本指ソックスの粋な履き方から、悪口を角を立てずに伝える方法、さらにはオヤジギャグをどう放つかまで、大人の日常に潜むちょっとした難題が次々と登場します。そんなユニークな問いに答えるのは、作家や芸人など個性豊かな執筆陣。それぞれの視点から繰り出される回答は、思わず笑ってしまうものから「なるほど!」と膝を打つものまでさまざまです。

 

『考えるマナー』を読むと、相手を思いやりながら自分らしく振る舞うための知恵もマナーの一つなのだと気づかされます。短い時間でも気軽に楽しめるので、通勤中やちょっとした休憩のお供にもぴったりですよ。

「ほしじいたけ ほしばあたけ」石川基子

「ほしじいたけ ほしばあたけ」石川基子
「ほしじいたけ ほしばあたけ」石川基子 作/講談社

10月15日は「きのこの日」。きのこを身近な食材として楽しんでもらうことを目的に制定された記念日です。そんなきのこの日に読みたいのが、石川基子『ほしじいたけ ほしばあたけ』。なんと「干ししいたけ」が主人公という、ユニークな発想から生まれた絵本です。

 

『ほしじいたけ ほしばあたけ』の舞台は、きのこたちが暮らす「きのこむら」。長老のほしじいたけとほしばあたけは、村のみんなから慕われる仲良し夫婦です。ある日、仲間のきのこが崖から落ちてしまう事件が発生。助けに向かったほしじいたけですが、乾燥して軽くなった体では、崖を上ることができません。そこで、ほしじいたけが取った驚きの行動とは……?

 

『ほしじいたけ ほしばあたけ』のおもしろさは、普段料理で使う干ししいたけの特徴を、物語の展開に巧みに取り入れているところ。これを読めばしいたけが愛しくなるにちがいない、食欲の秋におすすめの一冊です。Related【東京近郊】きのこ料理専門店ガイド|人気店と魅力を厳選して紹介
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10月におすすめの読書法

10月は涼しくなり、夜も長くなってまさに「読書の秋」といわれる季節。食欲や芸術など心揺さぶられるものが多い季節ですが、夜は心を落ち着かせてまったりと読書してみませんか。ここでは10月におすすめの読書法を3つご紹介します。

月明かりを感じながら窓辺で読書

月明かり 窓からの眺めの写真

 

夜が少しずつ長くなる10月は、静かな夜にゆっくり本を開くのにもぴったりの季節です。よく晴れた夜には、窓辺に腰を下ろして、月明かりを感じながら読書を楽しんでみませんか。

 

カーテンを開けて夜空を眺めたり、ページをめくる合間に月を見上げたり。昼間とは違う静かな空気の中で過ごせば、慌ただしかった一日の気持ちも少しずつ落ち着いていきます。ミステリーや心にじんわり残る物語など、じっくり味わいたい作品を読むのにもおすすめです。

 

秋の夜長だからこそ、いつもより少しだけ夜更かししてみるのもいいかもしれません。月明かりとともに、物語の世界に浸るひとときを楽しんでみてくださいね。

ハロウィン用のお菓子をつまみながら読書

ハロウィンをイメージしたお菓子たち

 

10月31日はハロウィン。お店にかぼちゃやおばけをモチーフにしたお菓子が並び始めると、今年は何を用意しようか迷ってしまいますよね。そんなときは、ハロウィン用のお菓子選びを兼ねて、気になるものを少しずつ試しながら読書を楽しんでみませんか。

 

キャンディーやクッキー、チョコレートなど、候補のお菓子をいくつか用意して、本を読みながらひとつずつ味見。「これは当日用にしよう」「次は違う味を試してみよう」と考える時間も、ハロウィンまでの楽しみのひとつです。

 

ミステリーやちょっぴり不思議な物語を選べば、さらにハロウィン気分が高まりそう。お菓子をつまみながら、10月ならではの読書時間を楽しんでみてくださいね。

探し物が見つからないときはひと休みして読書

畳の上に積み上げられた本たち

 

10月4日は「探し物の日」。なくした物を探していると、「確かにここに置いたはずなのに……」と、つい夢中になってしまうことがありますよね。あちこち探しても見つからないときは、いったん探すのをやめて、本を開いてひと休みしてみませんか。

 

お気に入りの本を読んで物語の世界に浸れば、探し物でいっぱいになっていた頭も少しずつ切り替わっていきます。しばらく読書を楽しんだあとなら、「そういえば、あそこに置いたかも」とふと思い出したり、見落としていた場所に気づいたりするかもしれません。

 

探し物が見つからないときこそ、焦らずちょっと休憩。10月4日は、探す手を止めて読書を楽しむ時間をつくってみてくださいね。

おわりに

夕方 ベッドに腰掛けて読書する人

 

暑さが落ち着き、少しずつ秋が深まっていく10月。日が短くなり夜の時間が長く感じられるこの時季は、いつもよりゆっくり本と向き合うのにもぴったりです。

 

今回紹介した6冊には、謎解きを楽しめるミステリーから、本と人との不思議な縁や友情・家族を描いた物語、言葉やマナーについて考える作品、思わず笑顔になる絵本まで、さまざまな魅力があります。その日の気分に合わせて選べば、秋の読書を楽しむきっかけになる一冊が見つかるかもしれません。秋の夜長を楽しみながら、お気に入りの一冊と心地よい読書時間を過ごしてみてくださいね。
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あまち

written by...あまち

2022年よりフリーランスとして活動中のWebライター。現在は2児の母として育児と仕事を両立に奮闘中。趣味は家族とのレジャーや、カフェで過ごすひととき。