Sep 04, 2024
蕎麦の粋な食べ方を紹介 江戸っ子にならって味を楽しもう
蕎麦はラーメンやうどんなど他の麺類と比べて、ルールやマナーがあって敷居が高いと感じていませんか。なんとなく蕎麦を食べているけれど、日本人なら蕎麦の正しい食べ方を知っておいたほうがいいのではと感じている人も多いでしょう。そこで、この記事では蕎麦の粋な正しい食べ方について紹介します。正しい食べ方にはより蕎麦をおいしく食べれる理由がありますよ。
MOKUJI
蕎麦の食べ方にはマナーがある?粋に楽しむって?
落語や歌舞伎などでも蕎麦を食べる描写が多く描かれていて、江戸時代から蕎麦は一般的に食べられるようになったといわれています。粋を重んじ野暮を嫌う江戸っ子が、おいしく蕎麦を食べるために決めた方法が、現在の蕎麦のマナーに繋がっています。
手順①まずは蕎麦の味を楽しもう
蕎麦を食べる時は、まず蕎麦そのものの味を楽しみましょう。
蕎麦を単体で食べる
蕎麦は香りを楽しむ食べ物なので、まずはそのまま何も付けずに2,3本食べてみましょう。鼻に抜ける香り・食感・のどごしを感じられるでしょう。あまり蕎麦をそのまま食べることがない人は、「なんだかよくわからない」と感じてしまう場合もあるかもしれません。最初に蕎麦を数本食べることを続けているうちに、段々と蕎麦の風味を楽しめるようになるはずです。気長に食べて続けてみてくださいね。
塩をかけて食べる
蕎麦をそのまま食べたら、蕎麦に少し塩を付けて食べるのもおすすめです。塩は蕎麦の風味を引き出し、甘味を強める効果があります。つゆで食べるよりも蕎麦の風味を感じやすくなるでしょう。
つゆも単体で味わう
蕎麦につゆを付けて食べる前に、つゆだけでも味を確認してみましょう。つゆはお店によって出汁の取り方や味付けが異なるので、各店の個性を楽しんでくださいね。また、地域によっても差があり、関東風は濃いめの味で、関西風は色も味付けも薄い傾向です。
手順②つゆと楽しむ
蕎麦やつゆをそれぞれ楽しんだら、つゆと一緒に蕎麦を食べましょう。
薬味は蕎麦に直接のせる
わさびやねぎなどの薬味を一気につゆの中に入れてしまう人も多いのではないでしょうか。薬味自体の風味をバランスよく楽しむためには、薬味を少しずつ取って蕎麦の上にのせてみてください。また、蕎麦を食べる合間に直接薬味を口に入れてみるのもおすすめです。
蕎麦の盛りを崩さないように
もりそばの場合、蕎麦を取る時にも注意することがあります。きれいに盛り付けられたそばを崩さないようにするために、上に高く盛られている場合は上から、平らに盛られている場合は手前から蕎麦を取るようにしましょう。
すする時は一気に
蕎麦をすする際、音を出しても問題ありません。音が出るほど一気に蕎麦をすすって食べると、蕎麦の風味をより感じておいしく食べることができます。むしろ音を出さずに食べることは、おいしくないと感じる人もいるほどなんです。
つゆにつけるときは、蕎麦の三分の一程度
そばはつゆに全部入れてしまうのではなく、下三分の一程度だけをつゆにつけて食べます。蕎麦をつゆに全部つけてしまうと、つゆの味が強すぎて蕎麦の風味を味わいにくくなってしまうからです。特に濃い味の関東風のつゆは注意しましょう。
手順③蕎麦湯を楽しむ
蕎麦を食べた後に楽しむ蕎麦湯にも、おいしくいただくコツがあります。
まずはストレートで
まずは蕎麦湯をそのままストレートで飲んでみましょう。蕎麦の風味を強く感じることができます。
つゆで割る
次に、蕎麦を食べた後のつゆで割って飲んでみましょう。塩味と蕎麦の風味を同時に味わうことができます。ただし、蕎麦のつゆは食塩濃度が高いので、飲み過ぎには注意しましょう。
薬味を足しても◎
薬味は蕎麦湯にする時まで少し残しておきましょう。蕎麦湯と共にネギ・わさび・大根おろし・七味などを合わせると、より蕎麦湯をおいしく飲めておすすめです。
蕎麦をもっと楽しむことができる豆知識
知っていれば、もっと楽しむことができる蕎麦に関する豆知識を3つ紹介します。
蕎麦が運ばれてきたらすぐに食べる
蕎麦はできあがったらすぐに食べないと、どんどん風味が落ちてしまう食べ物です。そのため複数人での食事だとしても、蕎麦が運ばれてきたら全員分揃うまで待つのではなく、提供されたらすぐに食べましょう。お店によっては、おいしいできたての状態を楽しんでもらうために、大盛を提供しないなんてこともあるんですよ。
蕎麦湯はなぜ飲む?
蕎麦には食物繊維・ビタミンB群・植物性タンパク質などの豊富な栄養素が含まれています。しかしその多くは水溶性で、ゆでるとお湯に溶け出してしまいます。そのため、蕎麦をゆでた時のお湯である蕎麦湯を飲むことで栄養を補給することができます。
蕎麦湯に含まれる栄養の中でもビタミンB類は肌の調子を整える美容ビタミンと呼ばれ、米や小麦の2~3倍も含まれています。その他、アルコールを分解する肝臓の働きを助けるパントテン酸やナイアシンを含んでいるため、二日酔いの時に蕎麦を食べると症状が緩和することが期待できます。
蕎麦前の楽しみ方
蕎麦前とは、蕎麦屋で飲むお酒のことです。蕎麦が提供されるまでの時間にお酒やつまみを楽しむ習慣は江戸時代からあるといわれています。蕎麦前としてよく飲まれるお酒は日本酒ですが、最近ではワイン・ビール・焼酎などの豊富なラインナップがあるお店も増えています。蕎麦前の肴といえば、蕎麦のメニューから蕎麦を抜いた「ぬき」が有名です。例えば、天ぬきは天ぷら蕎麦から蕎麦を抜いた天ぷらのことです。他にも、たこわさや卵焼きなども、さっぱりと食べられると人気が高いメニューです。
正しい知識でもっとおいしく蕎麦を食べよう
蕎麦には色々なルールがあり、敷居が高いと感じるかもしれませんが、それは蕎麦をおいしく食べるためのコツです。なぜそのルールがあるのかを知ると、よりおいしく蕎麦を食べられるようになるので、ぜひ蕎麦を粋な食べ方で楽しんでみてくださいね。