Mar 19, 2025
曲げわっぱの正しいお手入れ方法とは?種類や洗い方を知って長く愛用しよう

お弁当箱として人気が高まっている曲げわっぱは、見た目が華やかでご飯やおかずをおいしく食べることができます。一般的なお弁当箱よりも高価なため、なるべく長く愛用したいと考えている人も多いのでは。そこで、この記事では曲げわっぱの正しいお手入れの方法を紹介します。実は曲げわっぱには塗装によって種類があり、それぞれにお手入れ方法が異なります。曲げわっぱに万が一のことがあった時の対処方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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曲げわっぱは大きく分けて3種類
曲げわっぱは「無塗装」「漆塗り」「ウレタン塗装」と、主に3種類に分けられます。それぞれの特徴を紹介します。
「無塗装」は美しさや香りが格別!
無塗装は塗装をせずに素材そのままの状態で、「白木」とも呼ばれます。杉や檜などの木材の香りや美しい木目を楽しむことができます。木の持つ調湿機能で、ご飯が冷めてもおいしくキープできる点が魅力です。一方で、塗装がある曲げわっぱよりもお手入れに気を遣う必要があり、初心者だと難しいと感じる可能性もあります。
「漆塗り」は洗剤OK!
漆塗りは、白木の曲げわっぱに漆を塗ったものです。色付きの漆を使用し木目が隠れる「本塗り」と、透明な漆を使い木目がそのまま見える「拭き塗り」の2種類があります。
漆には強力な抗菌作用があるので、お弁当の衛生面も安心です。無塗装よりもお手入れが簡単ですが、少し価格が高いものも多いです。ただし、漆塗りは使い込むほどに艶が出るので、長期的に曲げわっぱを使いたい人におすすめです。
「ウレタン塗装」は初心者におすすめ!
ウレタン塗装は、白木の曲げわっぱにウレタン樹脂でコーティングしたものです。見た目は無塗装とほとんど変わりませんが、汚れが付きにくくお手入れが簡単です。木の匂いや調湿機能はありませんが、値段が安く気軽に曲げわっぱを試してみたい人におすすめです。
曲げわっぱの洗い方
曲げわっぱは、塗装の種類によって洗い方が異なります。長く大切に使い続けるために、正しい洗い方を知っておきましょう。
無塗装の場合
<手順>
- ぬるま湯で曲げわっぱの表面に付いている汚れを落とす
- 洗剤を付けていないスポンジでこする
- ぬるま湯ですすぐ
- 布で水分を拭き取り、十分に乾燥させる
無塗装の曲げわっぱは洗剤で洗ってしまうと、本体に洗剤の成分がしみ込んでしまいます。どうしても汚れや色シミが気になる場合は、クエン酸を溶かしいれてよくすすぎましょう。また、無塗装の曲げわっぱを完全に乾かすには約1日必要で、乾ききる前にしまってしまうとカビの原因となるので注意しましょう。
漆塗りの場合
<手順>
- ぬるま湯で曲げわっぱの表面に付いている汚れを落とす
- 中性洗剤を付けて、スポンジで優しくこする
- ぬるま湯ですすぐ
- 布で水分を拭き取り、十分に乾燥させる
漆塗りの曲げわっぱは洗剤を使って洗うことができ、無塗装よりはご飯のこびり付きや油の染み込みが少ないです。一方、表面が柔らかく傷つきやすいので、フォークやお箸などの先のとがったもので傷を付けないようにしましょう。
ウレタン塗装の場合
<手順>
- 水で曲げわっぱの表面に付いている汚れを落とす
- 中性洗剤を付けて、スポンジでこすってすすぐ
- 布で水分を拭き取り、十分に乾燥させる
ウレタン塗装の曲げわっぱは、普通のお弁当と同じようにお手入れをすれば大丈夫です。ただし、塗装部分が全面ではなく一部の場合は、無塗装の曲げわっぱと同じようにお手入れをしてくださいね。
曲げわっぱを長く愛用するために
曲げわっぱを長く愛用するために、使用方法の注意点を紹介します。
使い始める前に
曲げわっぱは天然の木でできているので、購入したばかりの時は木特有の香りや成分があります。天然成分なので体に害はありませんが、中に入れるご飯に香りや色が移る場合があるので、数回水で洗いましょう。数回使ううちに段々気にならなくなっていきますが、どうしても気になる場合は、曲げわっぱに70℃のお湯を張って捨てることを数回繰り返して対策をしましょう。
使い終わったらすぐに洗う
曲げわっぱの塗装の有無に関わらず、使い終わったらすぐに洗う必要があります。無塗装の場合は洗剤を使うのはNG。漆やウレタンの塗装がある場合は洗剤を使えます。ただし、食洗機や乾燥機を使うと、木材が縮んで変形の原因となってしまいます。また、お弁当箱を持ち帰るのを忘れて1日放置してしまうと、カビが生えてしまうこともあるので注意しましょう。
しっかりと乾かす
曲げわっぱを洗い終わったら、布巾で水分を拭き取り、十分に乾燥させましょう。乾燥させるときは下向きにしてしまうと、底に湿気がたまりやすいので、上向きか横向きがおすすめです。洗い終わった後に40~60℃のお湯をかけると、気化熱で乾燥が早くなります。
毎日の使用は避ける
曲げわっぱを完全に乾かすには約1日かかるといわれています。そのため、毎日使おうとすると、乾ききる前に使うことになり、黒ずみができやすくなってしまいます。できれば毎日使うのではなく、一日おきなど適度に休ませながら使うのがおすすめです。
曲げわっぱのこんな時どうしたらいい?
曲げわっぱを使っていて、気になる変化が起きた時の対処方法を解説します。
黒ずみには酢水
曲げわっぱに黒ずみができてしまう原因は、木に含まれるタンニンとお米・野菜・卵などのアルカリ性食品による化学反応です。この黒ずみ自体には問題ありませんが、見た目が気になるのであれば除去しましょう。水に酢かクエン酸を混ぜ、曲げわっぱに入れて30分ほど放置しすすぐと、黒ずみが薄くなります。
カビ対策はとにかく乾燥
洗うのを忘れてしまったり、完全に乾燥する前にしまい込んでしまったりすると、カビが生えてしまうことがあります。カビが生えてしまったら、お湯を付けてからクレンザーで洗ってみましょう。塗装がある曲げわっぱならカビが奥深くまで入り込みにくいので、すぐに対処すれば間に合う可能性が高いです。
一方で無塗装の曲げわっぱは、一度カビが生えてしまうと木の奥までカビが入り込んで根を張ってしまうことが多いので、普段からカビ対策をしっかりしておきましょう。
ニオイが気になる時
曲げわっぱにおかずのニオイが付いてしまった時は、緑茶が効果的です。緑茶に含まれるカテキンには消臭効果があり、嫌なニオイを取ることができます。曲げわっぱの中に緑茶を入れてしばらく入れておきます。緑茶を捨ててまた新たな緑茶を入れて捨ててを繰り返します。最後にしっかりと乾かしたらニオイは取れているでしょう。
それでもどうしてもカビやニオイが気になる場合は、曲げわっぱを購入したお店に相談してみてください。プロならではのお手入れや修理で、曲げわっぱをよい状態に戻してもらえることもあります。
正しい方法でお手入れをして長く曲げわっぱを使おう
曲げわっぱの種類の違いやお手入れ方法について紹介しました。自分のライフスタイルや予算に合った曲げわっぱを選ぶ参考にしてください。曲げわっぱを正しく使えば、長く愛用することができます。ぜひお気に入りの曲げわっぱでおいしくお弁当を食べてみましょう。


古泉葵
2020年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は読書と手芸と料理。食べ歩きも好きで、夫婦で旅行に出かけることが好きです。