Feb 12, 2025
引越しそばの意味や風習とは?引越しの挨拶におすすめの粗品も紹介!

引越しした先の近隣に、挨拶とともに贈るアイテムとして定番なのが引越しそばです。現在は近隣に配るだけでなく、自分で食べるという風習もあります。本記事では、引越し前にチェックしておきたい引越しそばの意味と、近年の食べ方、そば以外の人気の粗品などを紹介します。
MOKUJI
引越しそばって何?
引越しそばは、引越しの挨拶の際に一緒に贈る風習の一つです。「引越しの挨拶でそばを配る」と聞いたことはあるものの、その理由や意味を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、引越しそばの由来や込められた意味について詳しく解説します。
引越しそばの由来
引越しした先の近隣にそばを配る引越しそばの文化は、江戸時代の中期から始まったといわれています。当時は大家さんと両隣、向かい、さらに向かいの両隣に配るのが一般的でした。また、引越しの挨拶が始まったころは小豆とおもちやおかゆを配っていたという説もあります。これらは当時の庶民には高価なものだったので、徐々に手軽なそばを配る文化に変わっていきました。
引越しそばを配る意味
引越しの挨拶にそばを配る理由には、そばの形状や語呂が関係しています。そばは細長い形をしていることから、「細く長くお付き合いをお願いします」という願いが込められていると言われています。また、「そばに引っ越してきました」という語呂合わせの意味もあり、縁起を担いでそばを贈る習慣が根付いたと考えられます。近年では、引越しの挨拶の習慣は残っているものの、そば以外の品物を贈るケースも増えています。
現在は「引越しそばを食べる習慣」に
かつてはご近所への挨拶として贈るのが一般的だった引越しそばですが、現在では「自分や手伝ってくれた人と一緒に食べるもの」と考える人も増えています。この習慣は昭和初期ごろから広まり、大切な新生活のスタートを縁起物と言われるそばを食べて迎えることで、成功や末長い幸せを願う意味が込められるようになりました。
引越しそばはいつ食べる?
引越しそばを食べるタイミングに決まりはありません。元々はご近所に贈るものであったため、「必ずこの時間に食べましょう」というルールはなく、自由なタイミングで食べてOKです。一般的には、引越し当日の昼食や夕食として食べることが多いです。特にインスタントのそばならお湯を沸かすだけで簡単に作れるので、引越し直後でも手軽に食べられます。
引越し蕎麦を食べるのに必要なこと!
引越しそばを新居で食べるには、電気やガスの使用手続きを事前に済ませておくことが大切です。電気やガスが使えるようになれば、あとは鍋一つで作ることができます。また、お箸や器などの最低限の食器がそろっていると、食べる際に困りません。
近くにコンビニやスーパーがあるなら、インスタントのそばを購入して一緒に割りばしをもらうのもおすすめです。コンビニではお湯を入れてもらえることがあるので、万が一電気やガスが使えなくても引越し当日にそばを食べられます。また電気ケトルなどでお湯を沸かす手もあるので場所や持ち物に合わせて調理するようにしましょう。
地域で違う?引越しそば
引越しの風習は地域によって異なります。そばではなく他の食べ物を食べる地域や、新居を清める習慣があるところも。地域によってさまざまな引越しの文化を見てみましょう。
うどんを食べる!
そばよりも「うどん文化」が根付いている香川県では、引越しのそばではなくうどんを食べることが多いです。また、「初風呂うどん食え」といわれ、新居のお風呂でうどんを食べる風習もあります。
愛知県などの一部の地方では、新築や改築でトイレを新設した際に、トイレでお茶やお菓子などをふるまう「便所開き」という風習もあります。トイレに住む神様への挨拶や、健康を願う意味が込められているとされています。
盛り塩で願掛け!
新居に盛り塩をして空間を浄化するという風習もあります。盛り塩をすることで家を浄化できると考えられており、古くから引越し直後におこなうものとして広まりました。盛り塩は、小皿に三角錐状に塩を盛り、玄関先、部屋の入口の両端などに置いておきます。トイレや風呂など、水回りを浄化するために盛り塩を置くこともあります。塩は古くから悪い気を吸い取ってくれると言われてきました。気持ちのいい新生活をスタートさせたい人は、ぜひ盛り塩も取り入れてみましょう。
引越し挨拶の粗品の定番は?
引越しの際は、ご近所へ簡単な粗品を持って挨拶をするのが一般的です。挨拶と一緒にちょっとした贈り物を渡せば、顔と名前を覚えてもらいやすくなり、良好な関係を築きやすくなるでしょう。定番のそばのほか、どのようなアイテムがいいのか、人気のラインナップを紹介します。
蕎麦
そばは今でも引越し挨拶の定番アイテムのひとつです。近年では確かに「自分たちで食べるもの」と考えている人も増えていますが、上記で解説したとおり、かつては近隣に配るものでした。今でも「引越しの挨拶といえばそば」のイメージが強い人も多いので、挨拶時の粗品としては定番です。
なかでも有名店のそばや簡単に調理できるそばなどを選ぶといいでしょう。ただし、引越しそばにはかつての「高級なものは贈れない」という庶民の事情もありました。負担にならない程度の金額のものを選びましょう。

乾麺
乾麺も、引越しの挨拶の粗品としておすすめです。乾麺はお湯を沸かすだけで簡単に作れる手軽さが魅力です。ラーメン、パスタ、うどん、焼きそばなど種類も豊富なので、好みがわからないご近所さんへの手土産のために複数種類お渡ししてもいいでしょう。珍しいご当地麺や有名ブランドの乾麺を選べば話のきっかけになりやすく、自然とご近所付き合いが広がります。
お菓子
誰にでも喜ばれる定番のアイテムとして、お菓子もおすすめです。当日に食べられなかったり、引越し当日に挨拶できない可能性も考慮して、焼き菓子やおせんべいなど、日持ちがするものを選ぶといいでしょう。また、普段スーパーで購入するようなお菓子ではなく、お中元やお歳暮などで選ぶような少し特別感のあるものを贈るのがいいですよ。
日用品
日々の生活に役立つ日用品も、引越しの挨拶の品として人気があります。洗剤、タオル、ラップ、ティッシュ、ゴミ袋、ふきんなど、どんな家庭でも使うような定番の日用品なら、幅広い層の人に喜ばれるでしょう。ただし、高級なものを贈ると相手が気を使ってしまう可能性があるため、カジュアルな日用品を選ぶのがおすすめです。
さいごに
引越しそばは、引越し後の近隣への挨拶と一緒に配ったり、引越し後に自分たちで食べたりするものです。そば以外にもうどんを食べたり、お菓子や日用品などを挨拶と一緒に配ったりすることもあります。地方によって風習が異なり、こうしなければならないというルールはないので、気持ちよく新生活を始められる方法を選んでみてくださいね。
