Jan 01, 2025
【1月におすすめの本】寒い冬にぴったり!1月だから読みたい本をおすすめの読書法と一緒に紹介
1年の始まり、新年最初に読む本はもう決まりましたか?寒い日が続く1月は、読書を楽しむのにぴったりな季節です。この記事では、お正月の雰囲気を感じられる本やじっくりと集中して読みたい本、心が温まる本など、さまざまなジャンルの作品を紹介します。ぜひ気になる本を手に取って、新年のスタートを豊かに過ごしましょう。
1月におすすめの本7選
新しい年が始まる1月は、「なにか新しいことを始めたい」「運命の一冊に出会いたい」など、前向きな気持ちが湧いてくる時期です。ここでは、そんな1月にぴったりの作品を7冊厳選しました。年始にふさわしい魅力的な本ばかりなので、気になるものがあればチェックしてみてくださいね。
今すぐにでも走りたくなる「風が強く吹いている」三浦しをん
お正月の風物詩ともいえる箱根駅伝。毎年多くの人が楽しみにしているのではないでしょうか。そんな駅伝までの道のりを追体験できるような、疾走感のある作品がこちら。
寛政大学1年生の蔵原走(くらはら かける)は、かつて天才ランナーと呼ばれた逸材。しかし、口下手でかっとなりやすい性格が災いし、高校時代に問題を起こして陸上部を退部させられた過去がありました。大学生となったある日、空腹のためパンを万引きした走は脚力を生かして逃走します。すると同じ大学の4年生・清瀬灰二に捕まり、彼の住むアパート・青竹荘(通称アオタケ)に行くことに。しかし、実はアオタケは元寛政大学陸上競技部の寮。そこから灰二が箱根駅伝の夢を叶えるために、住人を陸上部に巻き込んでいき——。
個性豊かな10人の大学生たちが、それぞれの想いを胸に箱根駅伝を目指す青春小説。葛藤や衝突を繰り返しながら目標に向かって進む姿をコミカルかつ熱く描いていて、走ることの喜びや仲間との絆、夢を追いかけることの素晴らしさを感じられます。
新しい自分を見つける「線は、僕を描く」砥上裕將
新春といえば書き初めの時期。墨の香りはなんだか背筋を正してくれるようで、心をすっきりさせる力があるように思いませんか。そんな墨の香りに包まれたような心地になる作品がこちら。
主人公は、両親を事故で失った青年・青山霜介(あおやま そうすけ)。2年前に家族を亡くしてから、心ここにあらずの日々を過ごしていました。ある日、親友の頼みで展示会搬入の手伝いをしていた霜介は、大物水墨画家の篠田湖山(しのだ こざん)に水墨画の才能を見いだされます。まったくの初心者でありながら湖山の孫娘・千瑛(ちあき)と水墨画のコンクールで勝負することになった霜介ですが、水墨画と向き合うことで心に変化が現れ始め…。
新しい挑戦をしたい、自分を変えたいと思っている人の背中をそっと押してくれる作品。心を閉ざした青年が自分自身と向き合い、人との出会いを通して変わっていく物語で、繊細な文章で描かれた水墨画の世界観によって主人公の変化を丁寧に表現しています。
自分の運命を切り拓くのは自分「アルケミスト 夢を旅した少年」パウロ・コエーリョ
新年を迎えると新しいことにチャレンジしたいと意気込むのは私だけではないはず。でも漠然としていて何をしたいか自分でも分からないという方も多いのではないでしょうか。そんな時におすすめしたい作品がこちら。
スペインの羊飼いの少年・サンチャゴは、何度も見た夢に導かれ、ピラミッドに隠された宝物を求めて旅に出ることに。アンダルシアの平原を出て海を渡ったサンチャゴは、さまざまな人と出会い生きる知恵を学びながら、徐々にピラミッドに近づいていきます。長い旅路を経て、ようやくピラミッドにたどり着き、少年が目にしたものとは——。
「前兆に従う」「心の声を聞く」「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」などの心に響く名言が散りばめられた作品です。人生において大切なものとは何かに気づかせてくれ、自身の目標を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
ゆっくりと流れる時間を楽しむ「喋々喃々」小川糸
1月7日は人日の節句と言って、七草がゆを食べる風習がありますよね。邪気を払う意味が込められていますが、一説によるとお正月のごちそうに疲れた胃を休める意味もあるのだとか。そんな七草がゆが作中に登場する作品がこちら。
東京・谷中で着物店を営む横山栞(しおり)は、ある日、父にそっくりの声を持つ木下春一郎と出会います。初釜に着ていく着物が欲しいという彼の左手薬指には指輪がありますが、時を重ねるほどに栞にとって春一郎の存在が大きなものとなっていき——。
東京・下町の雰囲気とともに、日常の細やかな暮らしが丁寧に描かれた作品。冒頭に七草がゆを炊く場面があったりと、恋愛小説ながら料理や食事のシーンが多く、じんわりと心に染み渡るような優しさを感じられます。谷中・根津・千駄木近辺に実在するお店や場所も多数登場するので、街歩き気分を楽しみたい方にもおすすめですよ。
気持ちを伝えるって難しい「カレーの時間」寺地はるな
1月22日はカレーの日って知っていますか?1982年のこの日に全国の学校給食でカレーを出したことが由来なのだとか。カレーって老若男女問わず人気のメニューですよね。ということで、カレーが食べたくなってきたところでおすすめしたい作品がこちら。
主人公の佐野桐矢(きりや)は潔癖で神経質な性格で、何事にも失敗したくないと考える25歳。ローリスク・ローリターンを願って過ごしていましたが、突如母方の祖父と同居しなければならなくなってしまいます。堅実な生活から一転、昔ながらの男尊女卑で傍若無人な祖父と暮らすことになった桐矢は祖父との価値観の違いに悩まされますが、カレーを囲む時間だけはなぜか心が通い合って…。
終戦後と現在をカレーがつなぐ、大阪が舞台の家族小説。桐矢目線の語りと祖父目線の語りが入り混じる構成で、それぞれの人生を読者視点で垣間見ることができます。半世紀の間、祖父が抱えてきた秘密とはなんなのか。ラストは心の底から感動できる、作者渾身の作品です。
香ばしく懐かしい気持ちになる「アンフォゲッタブル」松宮宏
実は1月22日はジャズの日でもあります。1月=Januaryの“Ja”と22日が“zz”に似ていることからジャズ愛好家の人たちによって設定されたのだとか。そんなジャズの世界に浸れるような作品がこちら。
プロのジャズミュージシャンを目指す栞は、生活のために保険の外交員として働いていました。ある日、元潜水艦エンジニア・鳥谷書太郎の家へ営業で訪れた栞は、ひょんなことから自分が出演するライブイベントに鳥谷夫婦を招待することに。音楽を通して仲を深めますが、その裏では商店街の再開発を巡るさまざまな思惑が動いており…。
ジャズをきっかけに知り合った人々が、神戸の再開発をめぐる騒動に巻き込まれつつも、たくましく生きていく姿を描いた一冊。ジャズの歴史や曲、シンガーなど、ジャズに関する情報が豊富に詰め込まれていて、ジャズ好きはもちろん、音楽の知識を増やしたい人にもぴったりですよ。
ほっこり笑顔になれる「14ひきのもちつき」いわむらかずお
1月といえばおもちが食べたくなる季節。つきたてのおもちの美味しさといったら、この上なくたまらないですよね。そんな餅つきの様子を楽しめる絵本がこちら。
ねずみの14匹家族のお父さんは、朝から「かーんこーん」と薪割り。おじいさんはかまどに火を入れて、こどもたちも目を覚まします。今日はみんなでお餅つきをする日なので、お米の準備をしたり、杵や臼を運んだりと、分担しながら準備します。お米がふけたら準備は万端。いよいよ楽しい餅つきの始まりです!
長年愛される「14ひきの」シリーズのうち、日本のお正月に欠かせない、餅つきをテーマにした作品。こども向けの作品ながら、お米の下準備やおもちのつき方まで、「おもちつき」の方法がしっかり描かれています。お正月らしい和やかな雰囲気とともに、ほのぼのとした温かさも感じられますよ。
1月におすすめの読書法3選
1月は新年の始まりで何かと忙しい時期ですが、そんな時こそ読書を楽しんではいかがですか。お気に入りの本をじっくりと読むことで心と体をリフレッシュでき、日々の生活がより豊かになります。ここでは、1月にぴったりな少し変わった読書法を3つご紹介します。寒い冬に最適な読書法で、リラックスできる時間を作りましょう。
こたつでぬくぬく温まりながら読書
温かいこたつに入りながら読書に没頭する時間は、まさに至福のひととき。飲み物やおやつを用意しておけば、長時間の読書も快適に楽しめます。風邪をひかない程度にうとうと居眠りするのも、寒い冬ならではの特権ですね。
コトコト小豆が煮えるのを待ちながら読書
お正月には、ぜんざいを食べて縁起をかつぐ家庭も多いでしょう。小豆をじっくり煮ている間に楽しむ読書は、日本ならではの風情があります。小豆の甘く香ばしい香りに包まれながら、リラックスした気分で読書に集中しましょう。
あずきを使ったアイデアレシピ!定番&意外なメニューや上手な煮方、保存方法も公園のベンチでお正月のにぎわいを眺めながら読書
お正月の雰囲気を感じながら読書を楽しむなら、公園のベンチがぴったり。凧揚げをしている人たちの楽しげな声を聞きながら本を読むと、自然と集中力が高まります。ブランケットや温かい飲み物を持っていけば、寒さを気にせずに読書の時間を満喫できますよ。
【東京】ピクニックにおすすめ公園スポット!青空の下で充実した休日をおわりに
この記事では、1月に読みたいおすすめの本を7冊紹介しました。それぞれ違った魅力があり、穏やかな1月の休日にじっくり読みたい本ばかりです。ぜひ、今回ご紹介した本と読書法を参考に、充実した読書時間を過ごしてみてくださいね。
【12月におすすめの本】1年を締めくくる1冊を。寒い冬ならではの読書法も紹介♪