Dec 28, 2025
ぜんざいとおしるこの違いは?地域・作り方・味わいを徹底解説
ぜんざいとおしるこの違いを知っていますか。お正月に家庭で食べたり、甘味処で見かけたりする身近な和スイーツですが、「どこが違うの?」と感じている方も多いはず。実は、ぜんざいとおしるこは作り方が異なりますが、地域や家庭によって呼び方や種類が異なる食べ物なのです。そこで、本記事では代表的なぜんざいとおしるこの違いについて解説します。また、各地の有名なぜんざいやおしるこも紹介しているので、旅行や帰省の時に食べてみてはいかがでしょうか。
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ぜんざいとは
ぜんざいについて特徴と歴史を紹介します。
ぜんざいの特徴

ぜんざいとは、小豆の粒を残して煮たものです。豆の形が残っていて、汁気が少ないことが特徴です。小豆に砂糖を入れて甘く煮て作ります。
ぜんざいの歴史と名前の由来

ぜんざいの始まりは、平安時代から出雲地方に伝わる「神在祭(じんざいさい)」にお供えした「神在餅(じんざいもち)」にあるといわれています。神在祭は、旧暦の10月(神無月)に全国の神様が出雲に集まるお祭りのこと。じんざいが京都や江戸などの全国に伝わっていく中で、なまってぜんざいになったといわれています。
また、ぜんざいを初めて食べた僧侶が、仏教用語の「善哉」という「善(よき)」「哉(かな)」の意味を持つ言葉を口にしたことが由来という説もあります。
おしることは
おしるこについて特徴と歴史を紹介します。
おしるこの特徴

おしることは、あんこを水で伸ばして作られたものです。あんこと水と砂糖を混ぜて煮込んで作ります。おしるこにはつぶあんで作られたものとこしあんで作られたものの2種類があります。
おしるこの歴史と名前の由来

おしるこは江戸時代から食べられているといわれています。その頃は現在のような甘味ではなく、塩味をきかせたしょっぱい味で、お酒のおつまみとして食べられていたようです。
名前の由来は、乾燥した粉のさらしあんを使って作られていたことから、汁と粉を使ったとして「おしるこ」と呼ばれるようになったという説があります。
地域ごとの呼び方と作り方の違い
ぜんざいとおしるこの違いを解説しましたが、実は地域によって呼び方と作り方が異なります。地域ごとの違いを紹介します。
関東のぜんざい・おしるこ文化

関東では一般的に、汁気が多いものを「おしるこ(しるこ)」、汁気の少ないものや餅とあんこがセットになったもの自体を「ぜんざい」と呼ぶ傾向があります。さらに、こしあんを使うタイプを「御前しるこ」、つぶあんを使うタイプを「田舎しるこ」と呼び分ける甘味処もあります。
関西・九州のぜんざい・おしるこ文化

関西や九州では、原料にこしあんが使われているものをおしるこ、原料につぶあんが使われている物をぜんざいと呼ぶのが一般的です。両方とも汁気があるものを指し、汁気がないものを亀山や金時と呼んで区別することが多いです。
さらに九州の一部地域では、お餅が入っているものをおしるこ、白玉団子が入っているものをぜんざいと呼ぶこともあるようです。
沖縄のぜんざい・おしるこ文化

ぜんざいは冬に食べるイメージがありますが、沖縄ではぜんざいは夏に食べる冷たいスイーツを指します。沖縄のぜんざいは砂糖や黒糖で甘く煮た金時豆を、かき氷の下や上に乗せたものです。白玉団子やおもちを乗せて、腹持ちのいいスイーツとして人気です。
全国の有名なご当地ぜんざい・おしるこ
全国の有名なご当地ぜんざいやおしるこを紹介します。
島根の「出雲ぜんざい」

島根はぜんざい発祥の地といわれています。10月(神無月)に全国から神様が集まるお祭りの時に振舞われる「神在餅(じんざいもち)」に由来しています。島根では冬には温かいぜんざいとして、夏には冷やしぜんざいとして1年中ぜんざいを楽しめます。さっぱりとしたレモン風味や黒糖を使ったコクのあるぜんざいなど、さまざまなバリエーションのぜんざいが販売されています。
大阪の「夫婦善哉」

大阪のなんばエリアにある法善寺横丁には、創業約140年の「夫婦善哉(めおとぜんざい)」というお店があり、1人前のぜんざいを2つのお椀に分けて出すことで有名です。最初は2つのお椀に入って出したほうがたくさん入っているように見えてお得に感じられるという大阪の商人ならではの発想から始まりました。しかし、夫婦円満や商売繁盛にご利益があるぜんざいという口コミが広がり、縁起物のぜんざいとして有名になりました。
東京の「田舎しるこ」「御前しるこ」

東京では、粒あんを使ったおしるこのことを「田舎しるこ」と呼びます。ほくほくとした小豆の食感を楽しむことができます。一方、こしあんを使ったおしるこを「御前しるこ」と呼び、さらりとした汁がお餅に絡みあんこの風味を感じられます。
また、おしるこに塩昆布が添えられていることが多いです。甘く煮た小豆を食べつつ塩昆布の塩味を挟むことで、より小豆の甘さを引き立てつつ味を引き締めます。また、塩昆布を箸休めとすることで、最後までおしるこを飽きずに楽しむことができるでしょう。
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京都の「懐中しるこ」

京都には、もち米で作られた白い皮にあんこを半月状に包み込んだ「懐中しるこ」があります。食べ方も少しユニーク。まず、ぱりっとした皮を割り、中に入ったさらしあんの粉を器へ移します。そこに皮を好みの大きさにちぎって加え、お湯を注げば、皮がふんわりと戻ってやさしい口当たりに。素朴でほっとする一杯が完成します。
もともと、懐中しるこは、携帯しやすいよう工夫された伝統菓子として知られ、花見や雪見など野外で楽しむために作られたという説があります。温かい懐中しるこを夏に食べる習慣もあり、発汗を促して体温を下げる効果で暑気払いになります。
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東京の「粟ぜんざい」

東京には「粟ぜんざい」の元祖となる甘味処があります。粟とついていますが、実際は粟よりも粒が大きく鮮やかな黄色の餅きびという雑穀が使われています。蒸した餅きびを半づきにしたものを練りあげ、じっくりと炊いたこしあんが添えられており、一風変わった味わいが楽しめるでしょう。
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地域によって異なるぜんざいやおしるこを食べてみよう

ぜんざいとおしるこの違いについて紹介しました。地域によって定義が異なるため、家族や友人とぜんざいとおしるこについて話してみると、意外と違うものをイメージしていたということもあるかもしれません。また、地域の名物ぜんざいやおしるこがあるので、旅行先で食べてみるのもおすすめです。ぜひお好みのぜんざいやおしるこを探してみてください。
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古泉葵
2020年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は読書と手芸と料理。食べ歩きも好きで、夫婦で旅行に出かけることが好きです。





