Feb 20, 2025
【医師監修】アーモンドミルクの効果って?特徴・よくある質問を徹底解説

最近ではスーパーやコンビニでもよく目にするようになったアーモンドミルク。飲んでみたいけれど、どんな味なのか、どのような栄養素が含まれているのかわからない、と思っていませんか。そこで、この記事では「世界一受けたい授業」、「あさイチ」などテレビ出演多数の慶應義塾大学医学部化学教室教授・井上浩義先生監修のもと、アーモンドミルクの効果・効能を解説します。
アーモンドミルクを使ったおすすめのレシピも紹介しているので、アーモンドミルクに興味がある人はぜひ作ってみてくださいね。
アーモンドミルクとは
アーモンドミルクは、アーモンドを砕いたりすりつぶしたりしたものに、水を加えて濾すといった工程で作られます。ミルクと言っても牛乳は含まれてなく、アーモンドの風味ですっきりとした味わいの植物性ミルクです。アーモンドの含有率は商品によりますが、10%前後。オーツミルクやライスミルクなどと一緒に、牛乳や豆乳に次ぐ第3のミルクと呼ばれています。
アーモンドミルクの効果は?
アーモンドミルクには実際にどのような効果があるのでしょうか。慶應義塾大学 医学部化学教室 教授の井上浩義先生に、アーモンドミルクを飲むことで得られる効果について伺いました。
免疫力アップ
ビタミンEやポリフェノールが豊富に含まれているアーモンドミルク。ビタミンEやポリフェノールには抗酸化作用があり、酸化ストレスから体を守る効果があります。免疫細胞を活性化させ、免疫抑制物質の生成を防ぐ働きをしてくれます。また体内に侵入してくる細菌やウイルスを防ぐ働きがあるため、ビタミンEを摂ることで免疫力アップが期待されています。
他、ビタミンEは副腎や卵巣に蓄えられ、女性ホルモンの分泌を調整して生殖機能を維持してくれると共に、医薬品として月経前症候群や生理痛、生理不順などを改善する効果が期待できます。
便秘予防・腸内環境の改善
アーモンドに含まれる食物繊維は、日本人に不足しがちな栄養素の1つです。食物繊維には善玉菌を増やし腸内環境を整える働きがあります。便秘の時やお腹の調子が気になる時は、食物繊維を積極的に取ることを意識してみてくださいね。市販のアーモンドミルクに含まれる食物繊維の量は商品によって異なるため、アーモンドミルクに食物繊維による腸内環境の改善を期待する場合は、手作りのアーモンドミルクがおすすめです。
悪玉コレステロールの上昇を抑える
悪玉コレステロールや中性脂肪が高すぎると、脳卒中や心疾患などの生活習慣病を引き起こすリスクが高くなります。アーモンドには多くの不飽和脂肪酸が含まれていて、特にその一種であるオレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減らす効果があるとされています。
飲酒前後の肝臓ケアに
アーモンドミルクに含まれるビタミンEには、肝機能の働きを助ける効果があります。ビタミンEを摂取することで、二日酔いや脂肪肝になりづらい体に。また、薄皮を含めて製造したアーモンドミルクはポリフェノールを多く含んでおり、肝臓保護に働く可能性が高いとされています。ただし、飲酒前後に飲んでもすぐに効果を発揮することは期待できないため、毎日適量を摂取することが重要です。
アーモンドミルクQ&A
アーモンドミルクに関するよくある質問に回答します。
アーモンドミルクと牛乳・豆乳は何が違う?
アーモンドミルクはアーモンドをすりつぶしたもの、牛乳は生乳を加熱殺菌したもの、豆乳は大豆をすりつぶしたものです。カロリーはアーモンドミルク<豆乳<牛乳の順で、ダイエット中の人にアーモンドミルクは人気があります。特に手作りのアーモンドミルクは、ダイエット中に不足しがちな食物繊維も多いので、便秘に悩んでいる人におすすめです。牛乳はカルシウムなどバランス良く栄養が取れるので、成長期の子供や栄養が不足しがちなアスリートや食が細くなる高齢者におすすめです。
アーモンドミルクはいつ飲むといい?
アーモンドミルクはどの時間帯に飲んでもOK。特におすすめの時間帯は朝食前です。アーモンドミルクはGI値が低いので、朝食前に飲むことで血糖値の上昇が穏やかになり、次の食事まで空腹を感じにくくなります。アーモンドミルクはダイエット中の食事やおやつにおすすめです。
アーモンドミルクは1日にどのくらい飲んでいい?
アーモンドミルクの1日の摂取量は厳密に決められているわけではありませんが、アーモンドは1日25粒までに推奨されています。アーモンド含有量は製品によって異なるため、パッケージ裏面などに記載されている摂取量目安を確認することが大切です。ダイエットに効果的なアーモンドミルクですが、飲み過ぎはカロリーや脂質を摂りすぎてしまうので注意してください。
アーモンドミルクは温めても大丈夫?
アーモンドミルクはそのまま飲むだけでなく、調理に使うこともできます。牛乳や豆乳の代わりに料理に使ったり、ホットミルクにして飲んだりしてみてはいかがでしょうか。また、アーモンドミルクは凍らせることもできるので、冷凍庫でアーモンドミルクアイスを作るのもおすすめです。
アーモンドミルクを使ったおすすめレシピ
アーモンドミルクを使ったおすすめのレシピを紹介します。
免疫力UP!「アーモンドミルクキムチ担々鍋」

【材料(2人分)】
● 豚ひき肉:150g
● 絹ごし豆腐:150g(小1パック)
● 長ネギ:100g
● 青梗菜:100g
● にら:25g
● サラダ油:小さじ1
● A砂糖・すりおろしにんにく:各小さじ1
● Aみそ:大さじ1
● Bアーモンドミルク:600ml
● B鶏がらスープの素:小さじ1
● B白菜キムチ:100g
● 糸唐辛子:お好みで
【作り方】
1. 豆腐を一口大、長ネギは半分を斜め切り、残り半分をみじん切りにする。青梗菜とにらは5cm幅のざく切り、白菜キムチは粗みじん切りにする。
2. フライパンにサラダ油を入れて、豚ひき肉を炒め、みじん切りの長ネギを入れる。
3. Aを入れて味を付ける。
4. 鍋にBを入れ、沸騰したら豆腐・斜め切りの長ネギ・青梗菜を入れる。3分経ったら3とにらを入れて、糸唐辛子を乗せて完成。
飲む焼き芋!「ジンジャーアーモンドミルク」

【材料(2人分)】
● はちみつ:大さじ2
● すりおろししょうが:大さじ1
● アーモンドミルク:400ml
【作り方】
1. 小鍋に材料をすべて入れて、中火にかける。
2. はちみつが溶けて全体が温まったら完成。
血流アップごはん!「サバ缶とアーモンドミルクのスープ」

【材料(2人分)】
● サバ缶:1缶
● 白菜:200g
● しいたけ:40g
● 春雨:20g
● アーモンドミルク:400ml
● みそ:大さじ1
● ラー油:少々
【作り方】
1. 白菜をざく切りに、しいたけを薄切りにする。
2. 鍋に1とサバ缶・アーモンドミルクを入れてふたをして中火で煮込む。
3. 沸騰してから5分後に、春雨を入れて味噌で味をととのえる。
4. 器に盛り付けて、ラー油を入れて完成。
アーモンドミルクを飲んでみよう
アーモンドミルクは植物性のミルクで、カロリーや糖質が低くダイエットに良いと注目を集めています。免疫力アップ・腸内環境の改善・コレステロールの抑制・肝臓のケアなどに効果的なので、健康や美容に気を遣いたい人はアーモンドミルクを牛乳や豆乳の代わりに飲んでみてはいかがでしょうか。加熱や冷凍も可能なので、料理やスイーツにも使えて便利ですよ。ぜひ工夫して、日常的に摂取してみましょう。

監修:井上浩義
医学博士/理学博士/日本抗加齢医学会・理事/慶應義塾大学医学部化学教室教授
平成22年度文部科学大臣表彰科学技術賞、化学コミュニケーション賞2012、ちくぎんバイオベンチャー大賞(2009年)など受賞多数。慶應義塾大学医学部では10年連続Best Teacher Award(連続第1位;2010年から表彰対象外)。「世界一受けたい授業」、「あさイチ」などテレビ出演多数。