May 01, 2025
【5月におすすめの本】新緑の季節に読みたい!この時期に読みたいおすすめ作品を紹介

新緑が目にまぶしい5月は、やわらかな日差しが気持ちいい季節。月初めには大型連休もあり、「充実したGWを過ごしたい」「日々の疲れをリフレッシュしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、日常を忘れさせてくれる、とっておきの作品を7つご紹介します。感動ものからミステリー、写真絵本までさまざまなジャンルをピックアップしたので、どんな本を読もうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
編集部厳選!5月におすすめの本7選
日頃の喧騒から離れ、身も心もリフレッシュするには、物語の世界に没頭するのが1番手っ取り早い方法です。そこで編集部では、心を揺さぶる感動の物語から好奇心を刺激するミステリー、夢をかなえるために役立つ一冊まで、さまざまな作品を厳選しました。
あなたにとっての家族とは「そして、バトンは渡された」瀬尾 まいこ

5月4日は「ファミリーの日」。チェーン展開する中華料理店が公募により制定したのがはじまりです。家族といえど、その形は様々ですよね。今回はちょっと変わったつながりを持つ家族の物語をピックアップ。
主人公の森宮優子は、高校生の女の子。彼女には「家族が何度も変わった」という少し特別な過去があります。実の母親が亡くなった後、父親の再婚により義母と暮らし始めますが、その後も父が再婚と離婚を繰り返し、血のつながらない親たちのもとを転々とすることに。
最終的に優子は、料理好きで少し変わり者の義父・森宮さんと二人で暮らすことになります。森宮さんは血縁関係もなく、法的にも父親ではないのに、優子のために日々手料理をつくり、何よりも彼女の幸せを第一に考えてくれます。そんな中で、優子は自分にとって本当の「家族」とは何かを見つめ直していき――。
物語は、優子の視点と、彼女のもとに「バトン」をつなげてきた大人たちのエピソードが交差しながら展開していきます。それぞれの「親」は個性的でありながらも、皆、優子を思いやり、自分なりの愛情を注ぐ姿に胸を打たれるものがあります。「血のつながりを超える愛とは何か」をテーマに映画化もされた作品です。
熱血だけでは終われない、超頭脳戦スポーツ「サクリファイス」近藤 史恵

5月5日は「こどもの日」として広く知られていますが、実は他にも多くの記念日が制定されています。その中の1つ「自転車の日」は、 “自転車活用推進法”の推進策の一環として制定されています。自転車への関心と理解を深める日ということで、自転車をテーマにした作品がこちら。
ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。高校時代、陸上選手として名をはせた白石誓は何のために勝つのかわからなくなり、自転車競技に転向。プロのロードレースチーム「チーム・オッジ」に所属し、チームのエース・石尾豪を勝たせるための「アシスト」として走る日々を送っていました。ある日、石尾を勝たせるはずのレースで誤って優勝してしまった白石はチームメイトの篠崎から呼び出され、「調子に乗ると石尾につぶされるぞ」と忠告を受け、石尾の過去の噂を知ることに。白石はその話を聞き流しますが、はじめて抜擢された海外遠征で、ある悲劇に遭遇し――。
ロードレース×ミステリーという異色の組み合わせが目を引く作品。ミステリー好きはもちろん、スポーツ作品が好きな人も楽しめる構成で、スポーツの面白さや自転車競技の奥深さに触れることができます。登場人物の心理描写も多く、自然と物語に入り込める作りが魅力的です。
自分らしさを大事にしたい「コスメティック」林 真理子

5月9日は、 “5月=May(メイ)+9日(ク)”の語呂合わせで「メイクの日」として制定されました。メイクアップは自分を表現したり、自信や安心感を得るための手段だったりしますよね。そして、そのメイクアップに欠かせないのが化粧品。今回はコスメ業界をテーマにした作品をピックアップ。
主人公・北村沙美は、広告代理店で働く33歳のキャリア女性。バブル崩壊後も仕事にまい進してきた沙美ですが、キャリア女性を取り巻く厳しい現実に直面し、つい閑職に流されてしまいます。恋人から「無理に仕事しなくても」と女性としての生き方を話されるも、沙美は「息切れするまで働きたい」と訴え、ヘッドハンティングで外資系コスメティック企業のPRマネージャーに移籍しますが――。
嫉妬、裏切り、婚約者との別れや上司との不倫など、化粧品業界を舞台に繰り広げられる女の闘いは、圧倒的なリアリティ。キャリア女性たちの本音と恋、無情な現実が高い解像度で描かれた、林真理子のベストセラー小説です。
医療や社会問題に軽やかに迫る「ナイチンゲール7世」小林 光恵

5月12日は「看護の日」。近代看護の礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで制定されました。今回はそのナイチンゲールの子孫だとする主人公が活躍する作品をご紹介。
看護師として働く橘高朱理(きったかしゅり)・ナイチンは、「クリミアの天使」ことフローレンス・ナイチンゲールの子孫。「看護統計学の始祖」であった先祖の血を受け継ぎ、ハーバード大学院を首席で卒業した天才看護師です。そんなナイチンの勤務する病院には、ナイチンを筆頭に、看護師や医師など個性豊かなメンバーが集結した「チーム・ナイチン」があり、日々さまざまな人から困りごとの相談依頼が舞い込みます。ナイチンはその比類なき能力で日本の医療の闇に切り込み、悩める人々の困りごとを解消し――。
認知症患者の介護問題や高齢者を狙った訪問詐欺など、リアルな社会問題をテーマにした痛快メディカルノベル。難しいテーマではありますが、個性豊かなキャラクターたちによる魅力的なストーリー展開で、最後まで楽しんで読むことができますよ。
人生をぎゅっと濃縮したような魂の物語「海流のなかの島々」アーネスト・ヘミングウェイ/沼沢 洽治【訳】

5月13日は「カクテルの日」。アメリカの雑誌で初めて「カクテル」が定義づけされた日にちなんで制定されたのだとか。20世紀を代表するアメリカの作家・ヘミングウェイは酒豪として知られ、カクテル「ダイキリ」や「モヒート」を好んで飲んでいたようです。今回はそれらのカクテルが作中にも登場する作品をご紹介。
第一章の主人公「トマス・ハドソン」は有名な画家であり、かなりの資産家。2度の離婚をした彼のもとに、長期休暇を利用して3人の息子たちが遊びに訪れます。長男である若トムは最初の妻との間に生まれたこどもで、父によく似たハンサムな青年。デイビッドは2度目の結婚でできた息子で、細い体つきながら忍耐力や精神力がある少年。3人目のアンドルーはデイビッドの弟で、末っ子らしい快活さと積極性、競争心が魅力的な三男坊。個性の違う息子たちとは父との時間を楽しみますが――。
1970年にヘミングウェイの遺作として刊行された長編小説。諸説ありますが、ヘミングウェイの代表作ともいえる「老人と海」はこの「海流の中の島々」の一部だったともいわれています。自然のリアルな姿、衝撃的な展開、壮絶な戦いなど、ヘミングウェイ好きにはたまらない一冊です。
【9月におすすめの本】読書の秋到来!秋を感じるおすすめの読書法も紹介♪
甘酸っぱいがあふれてる「Love Letter」石田 衣良、島村 洋子、川端 裕人 ほか

5月23日は「恋文=5(こ)+2(いぶ)+3(み)」の語呂合わせで「ラブレターの日」。SNSやメールが当たり前になった時代に、手書きで想いを綴ることは特別感があって後世にも残したい、尊い文化といえるのではないでしょうか。そんなラブレターをテーマにした作品がこちら。
美丘、君はそちらで元気にやっているだろうか――。2010年に放送された土曜ドラマ「美丘-君がいた日々-」のもととなった短編「ありがとう(石田 衣良著)」をはじめ、11人の作家が、それぞれの「ラブレター」に思いをはせて描いた恋愛小説アンソロジーです。
逝去した想い人への追想、予期せぬ別れ、昔の恋人との再会など、さまざまなテーマの短編小説を堪能できるので、恋愛ものが好きな人はもちろん、長編小説が苦手な方や好みの作家を探したい人にもおすすめ。どれも感情が強く揺さぶられる作品ばかりなので、1人で落ち着いて過ごせる日に読んでみては。
自然に帰ろう「もりはみている」大竹 英洋

5月4日は「みどりの日」。自然に親しみ、豊かな心をはぐくむことを目的に、国民の祝日として制定されています。そうはいっても近くに自然は少ないし、忙しくて遠出もできない・・・なんて自然が不足している方におすすめの写真絵本がこちら。
もりはみている、いつもみている。風が吹けば一瞬ざわめいて、すぐに静かな森に戻っていく――。
森の動物たちの視線や表情、静かな雰囲気を楽しめる写真絵本。こども向けではありますが、自然の力強さをひしひしと感じられる作品で、北米ノースウッズで自然を専門に撮り続ける写真家が、アカリス、小熊の兄弟、トナカイなど、さまざまな動物たちの視線をしっかりと捉えています。美しく荘厳な自然が映し出された写真からは、今にも動物たちの息遣いが聞こえてきそうですね。
5月におすすめの読書法3選
「いつも同じ読書スタイルで、なんだかマンネリ気味…」「いつもと違ったスタイルで読書を楽しみたい」そんなときは、5月ならではの読書法を取り入れてみるのがおすすめです。ここでは、5月こそ取り組みたい3つの読書法を紹介します。
新茶を味わいながら読書
4月下旬から5月上旬は、若葉の爽やかな風味や香りが楽しめる「新茶」が採れる時期。この時期のお茶は「1年でもっともおいしい」と言われていて、ビタミンやミネラルなどの栄養もたっぷり含んでいます。丁寧に淹れた新茶をすすりながらページをめくれば、日頃の忙しさを忘れてリラックスできること間違いなし。ほどよい渋みと甘みは、読書のおともにぴったりです。
満開のバラを眺めながら読書
優雅で美しいバラの開花時期は、毎年5月~6月と10月~11月頃。各地にあるバラ園では、時期になると色とりどりのバラがいくつも花を咲かせます。バラの甘く上品な香りに包まれながらベンチでゆっくり読書をすれば、まるでメルヘン童話の主人公になったような感覚になれるはず。満開のバラを眺めながらゆっくり読書を楽しんで、特別な時間を過ごしましょう。
森林浴しながら読書
緑がいきいきする5月は、森林浴にもってこいの季節。木々の緑や小鳥のさえずりの中、思いっきり新鮮な空気を吸えば、心も体もすっきりします。森林浴にはストレス解消や高いリラックス効果があるといわれているので、読書をする場所としては最適です。開放的な気分で読書を楽しみたいときは、ぜひ自然の中で物語の世界に没頭してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
爽やかですがすがしい5月は、読書を楽しむのにぴったりの季節。この記事では、そんな5月にぜひ手に取ってほしい、おすすめの本を7冊ご紹介しました。どれもジャンルは違いますが、編集部が自信をもっておすすめできる作品ばかりです。気になる本があればぜひ書店やネットストアなどでチェックして、最高の読書タイムを満喫してくださいね。

sachikawa
wabライター・アシスタントディレクター。自分らしく暮らしたい大人女子に役立つ情報をお届けします♪