May 11, 2025
【美容皮膚科医監修】これで完璧!日焼け止めの種類・選び方・塗るときのポイントを解説

「日焼け止めって種類がありすぎて、どれを選べばいいかわからない…」「毎日塗るなら、肌に優しくて効果が高いものを選びたい」そう思っている人も多いのではないでしょうか。日焼け止めはテクスチャーや成分によってさまざまな種類がありますが、紫外線から効果的に肌を守り美肌をキープするには、肌質やシーンに合ったものを選ぶことが大切です。
この記事では、PRIDE CLINIC 久野 賀子院長の監修のもと、日焼け止めの種類や選び方、効果的な使い方を紹介します。自分にぴったりの日焼け止めを選んで、紫外線から大切なお肌を守りましょう。
知っておきたい日焼け止めの基礎知識
日焼け止めは毎日使うものだからこそ、正しい知識を持って選びたいもの。ここでは、日焼け止めの効果や成分について、覚えておきたい基礎知識を解説します。
SPFとは?
SPFとは肌の炎症につながる紫外線B波(UVB)を防ぐ効果を表す数値で、大きくなるほどUVBを防ぐ時間が長くなります。例えばSPF30の日焼け止めの場合、何も塗らない場合に比べて、30倍の時間UVBから肌を守ることができるという意味です。UVBを浴びると肌が赤くなったりヒリヒリしたりといった不快な症状が起きやすくなり、シミやそばかすの原因になるため注意が必要です。
PAとは?
PAとは紫外線A波(UVA)を防ぐ効果を示す記号で、「+」の数で表されます。UVAは肌の奥深くまで届き、シワやたるみの原因になるもの。PA+は効果あり、PA++はとても効果あり、PA+++は非常に効果が高い、PA++++はもっともUVA防止に効果が期待できるランクです。
紫外線防止剤の成分:吸収剤と散乱剤って?
紫外線防止剤とはその名の通り紫外線を防ぐための成分で、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類に分けられます。
・紫外線吸収剤:紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて肌への影響を防ぐ
例>メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメトキシケイヒ酸、ポリシリコーン-15 など
・紫外線散乱剤:紫外線を反射・散乱させて、肌への影響を防ぐ
例>酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄 など
どちらの成分も紫外線を防ぐという目的は同じですが、肌への負担や使用感などがやや異なります。紫外線吸収剤が配合されている日焼け止めは肌への負担が大きく、肌が弱い人や体質によっては刺激になりやすいです。ただし肌色の調整には強く、白浮きせずメイクに馴染みやすいため、大事なイベントなど仕上がりを重視したい日の使用にぴったりです。
一方、紫外線散乱剤配合の日焼け止めは塗った際に白くみえやすく、きしみ感が出やすいといわれていますが、肌への刺激は紫外線吸収剤よりも少なめです。紫外線散乱剤の日焼け止めは「ノンケミカル」やこども用、敏感肌用と表記されていることが多いので、肌が弱い人やアレルギー体質の人は、パッケージの表記も参考にして選ぶと安心ですよ。
それぞれの特徴を理解して、肌質や使うシーンに合わせて上手に使い分けるのがおすすめです。
もう迷わない!タイプ別・日焼け止めの特徴ガイド
日焼け止めの種類は、テクスチャーや使用方法によってさまざまです。ストレスなく使用できるタイプを選べば、毎日をもっと快適に過ごすことができるはず。各タイプの特徴を知って、自分にぴったりの日焼け止めを選びましょう。
クリームタイプ:しっとり保湿で乾燥対策にも
クリームタイプは保湿力が高く、しっとりした使い心地が特徴です。乾燥肌の人や、1日中うるおいを感じたい人には特におすすめ。顔や体など、全身に使えます。
ジェルタイプ:みずみずしく軽い付け心地
ジェルタイプは、水分たっぷりのジェルが肌にスーッとなじむ、軽い着け心地が魅力です。べたつきが気になる人や軽い着け心地が好みの人は、ジェルタイプを選ぶと快適に使用できるはず。顔や体など、全身に使いやすいタイプです。
乳液タイプ:伸びがよくて塗りやすい
乳液タイプは、クリームタイプとジェルタイプの中間のような使い心地が特徴です。伸びがよくムラになりにくいので、日焼け止めを塗り慣れていない人でも使いやすいでしょう。顔はもちろん、身体にも使いやすいタイプです。
スプレータイプ:シュッとひと拭きでお手軽
スプレータイプは手を汚さず、広範囲にシュッと吹きかけるだけで使える手軽さが魅力です。背中など、手が届きやすい部分にもおすすめ。ただし、他のタイプに比べて塗りムラが起きやすいので、しっかり重ね塗りをすることが大切です。
スティックタイプ:ピンポイントの塗り直しに便利
スティックタイプは手を汚さず、気になる部分にピンポイントで使えるのが特徴。広範囲に塗りたいときは不向きですが、外出先での塗り直し用にはぴったりです。クリームタイプやジェルタイプなど、全身に使いやすいタイプと併用するのがおすすめですよ。
パウダータイプ:メイクの上からでもOK
パウダータイプは、メイクの上から塗り直しができる優れモノ。皮脂を吸着したり、メイクを密着させたりする作用があり、メイク崩れを防ぐ効果も期待できます。液体タイプと違い、塗布後の肌が軽く、圧迫感を感じにくいのも魅力的ですね。
飲むタイプ:塗るタイプが苦手・全身の紫外線対策に
飲むタイプは身体の内側から紫外線対策ができる日焼け止めで、サプリメントのように手軽に取り入れられます。塗るタイプが苦手な人や、頭皮や背中など全身まんべんなく紫外線対策をしたい人におすすめです。塗るタイプの日焼け止めと併用すれば、紫外線防止効果はさらに高まりますよ。
日焼け止め効果を100%引き出す効果的な使い方と注意点
日焼け止めの効果は、正しく使うことで最大限に発揮されます。そのため、効果が高い日焼け止めも、使い方によっては十分に紫外線カットができない可能性も。せっかくの日焼け止めを効果的に使うためにも、正しい日焼け止めの塗り方や注意点はしっかり押さえておきましょう。ここでは、とくに大切な4つのポイントを紹介します。
少量ずつの重ね塗りでムラを防ごう
日焼け止めはムラなく塗ると、紫外線をまんべんなく防げます。一度にたくさん塗るとムラになりやすいので、少量ずつ重ね塗りするのがおすすめ。特に顔回りなど汗をかきやすい箇所や、デコルテなど紫外線を浴びやすい箇所はこまめな塗り直しを心がけましょう。
肌の油分は拭きとってから塗る
日焼け止めを塗る前は、肌の油分や汗をティッシュなどで軽くふき取ること。油分や汗が残ったまま日焼け止めを塗ると、ムラになったり日焼け止めが落ちやすくなったりします。特に皮脂の分泌量が多いTゾーンは要注意。しっかり丁寧に拭き取ることが大切です。
古い日焼け止めは使わない
開けてから時間が経った日焼け止めは、成分が劣化して紫外線を防ぐ効果が弱まっている可能性があります。また、使用期限が過ぎた日焼け止めが原因で、肌荒れを引き起こしてしまうケースは珍しくありません。開封後の日焼け止めはなるべく早く使い切るようにし、古いものは思いきって処分するようにしましょう。
夜寝る前は必ずクレンジング剤でしっかり落とす
日焼け止めを付けたまま寝てしまうと肌に負担がかかり、乾燥やニキビなどの原因になります。とくにウォータープルーフタイプは肌との密着力が強く、専用クレンジングが必要なものも珍しくありません。日焼け止めを塗った日は必ず寝る前にお風呂に入り、クレンジング剤でしっかり日焼け止めを落とすことが大切です。
自分に合った日焼け止めを見つけよう
日焼け止めは毎日使うアイテムだからこそ、どのような成分・特徴なのかを知っておくことが大切です。自分のお肌に合うものを選べば、紫外線が気になる日も心地よく快適に過ごすことができるはず。お気に入りの日焼け止めを見つけてみてくださいね。

久野 賀子
PRIDECLINIC 院長
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックにて5年半勤務。新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。

sachikawa
wabライター・アシスタントディレクター。自分らしく暮らしたい大人女子に役立つ情報をお届けします♪