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自宅でとろ〜り“蜜ほくねっとり”焼き芋!レンジで簡単に作るコツ

ねっとり蜜芋 焼き芋

秋の深まりとともに、心も体もほっこり温めてくれる焼き芋が恋しくなりますよね。最近では焼き芋専門店が出ることも。そんな焼き芋、実は電子レンジでも、ねっとり甘く、蜜がたっぷりの絶品焼き芋が作れるんです。ちょっとした工夫とポイントを押さえるだけで、専門店で買ったようなしっとり甘い焼き芋が、自宅の食卓に。

この記事では、レンジでねっとり焼き芋を作る秘密や具体的な手順、品種選びのコツ、余った焼き芋のアレンジ法、賢い保存テクを解説します。この冬は自宅で極上焼き芋を楽しんでみませんか?

ねっとり焼き芋ができる理由とは

半分に割ったねっとり焼き芋 蜜芋 さつまいも

 

さつまいもが甘く、ねっとりとした食感になるのは、「糖化」という特別なメカニズムが働くから。 これは、さつまいもに含まれるデンプンが、β-アミラーゼという酵素の力で麦芽糖という甘い糖に変化する現象です。このβ-アミラーゼが最も活発に働くのは、約30℃から70℃の温度帯と言われています。そのため電子レンジで急激に高温に加熱してしまうと、この酵素が十分に働かず、甘みが引き出されにくくなってしまいます。

 

しかし、電子レンジでも「2段階加熱」や低ワット数でのじっくり加熱、そしてキッチンペーパーとラップで包んで「保湿」状態を保つといった工夫を凝らすことで、最適な温度帯を長くキープできます。これにより、デンプンの糖化が促進され、水分も保たれるため、ねっとりとした甘い焼き芋が実現できるのです。

 

特に「クイックスイート」という品種は、デンプンの糊化温度が低い(通常のさつまいもが70度前後であるのに対し、約50度前後)ため、短い加熱時間でもしっかり甘みを引き出せます。

レンジで作る“ねっとり焼き芋”ステップ

ここでは電子レンジを使ってねっとり甘い焼き芋を作るための具体的な手順を紹介します。

一晩塩水にさらして甘みを引き出す

サツマイモを塩水につける 焼き芋

 

さつまいもの甘さを最大限に出すには、下準備として3.5%の塩水に一晩漬けるのがおすすめ。塩水に浸けると水分が入り、加熱ムラを防ぎやすくなります。水分を含んださつまいもは、レンジで加熱したときに「ねっとり」「しっとり」とした食感になりやすいんです。

 

また、さつまいもに含まれる「ヤラピン」や「クロロゲン酸」といった成分は、苦味やえぐみの原因に。塩水にさらすことでアクやえぐみが和らぎ、すっきりとした味わいに。塩の濃さは「ちょっとしょっぱいかな?」と感じる程度が良いでしょう。ひと手間で、レンジでも本格的な焼き芋に近づきます。

2段階製法でレンジ加熱

ラップの上に置かれたカットさつまいも

 

実際に温める際は、2段階に分けて加熱するのがポイントです。

 

  1. 水で洗ったさつまいもを湿らせたキッチンペーパーで包み、ラップをして保湿
  2. 600Wで1分30秒加熱して、さつまいもを一気に70℃付近まで温める
  3. 200W(または解凍モード)で10分じっくり加熱し、70℃をキープ

低ワットでじっくり加熱することで糖化が進み、水分も残るので、ねっとり甘い焼き芋に仕上がります。さつまいものサイズに応じて加熱時間を調整し、ラップをすぐ外さず5分ほど余熱で蒸らすと、さらにしっとり。竹串をスッと刺せば完成です。

さつまいもの寝かせ保存で甘味アップ

ダンボールに入ったさつまいも 複数の種類

 

さつまいもは収穫後、少し寝かせると甘みが増します。これは、貯蔵中にデンプンがゆっくりと糖に変わっていく「糖化」が進むため。品種や収穫時期で変動しますが、寝かせ保存の目安期間は以下の通りです。

 

・家庭菜園などで収穫したもの:1~2ヶ月程度
・スーパーなどで購入したもの:ある程度熟成されているため、2週間程度が目安

 

保存のポイントは、温度13~16℃、湿度60%ほどの冷暗所です。 新聞紙に1本ずつ包み、段ボール箱などに入れて保存すると良いでしょう。 ただし、さつまいもは水に弱いため、洗わずに保存することが大切です。 冷蔵庫に入れると低温障害で傷む可能性があるため避けてください。

さつまいもの品種と選び方

美味しい焼き芋を作るためには、さつまいもの品種選びと、良いさつまいもを見分けることが大切です。 品種によって食感や甘みが大きく異なるので、ぜひ参考にしてくださいね。

美味しいさつまいもの選び方

山積みのさつまいも

 

購入する際には、以下の点に注目して選びましょう。

 

●皮の色
ムラがなく、ツヤがあるものを選びましょう。

 

●表面の状態
凸凹や傷、斑点がないものが新鮮です。

 

●見た目
ふっくらとしていて、太さにムラがないものがおすすめ。

 

●ひげ根
ひげ根が硬いものや、皮の一部が黒く変色しているものは、古くなっている可能性があるため避けるのが無難です。

 

●蜜の跡
糖度が高いさつまいもは、切り口にアメ色の蜜が染み出ていることがあります。

ねっとり焼き芋におすすめの品種

シルクスイート さつまいもの種類

 

電子レンジでもねっとりとした焼き芋を楽しみたいなら、以下の品種が特におすすめです。

 

●べにはるか
糖度が高く、しっとりねっとりとした食感が特徴です。 冷凍しても甘みが落ちにくく、作り置きにも便利です。

 

●安納芋 (あんのういも)
クリーミーな舌触りと、非常に高い糖度が魅力です。 焼き芋にすると、まるでスイーツのような濃厚な甘さと、蜜があふれ出るような食感が楽しめます。

 

●シルクスイート
水分が多く、その名の通り絹のようなしっとりとした食感が特徴です。 安納芋やべにはるかに比べると甘さは控えめですが上品でしつこくない味わい。熟成させるとさらに甘くなります。

 

●クイックスイート
デンプンの糊化温度が低め(約50℃)。短時間の加熱でもしっかり甘くなるので、レンジ調理に最適です。

ねっとり焼き芋の楽しみ方・アレンジアイデア

電子レンジで作ったねっとり焼き芋は、そのまま食べても美味しいですが、ひと手間加えるだけで、さらに様々な楽しみ方ができます。 ここでは、おすすめのアレンジアイデアをいくつか紹介します。

冷やしてスイートポテト風に

小さい焼き芋 スプーンですくって食べる イメージ さつまいも

 

焼き芋は温かいままでも美味しいですが、冷やして食べるのも格別です。 ひんやりとした口当たりは、まるでスイーツのよう。 暑い季節のおやつにもぴったりです。さらに、焼き芋を冷やすと「レジスタントスターチ」という成分が増加します。これは食物繊維に似た働きをし、腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を緩やかにしたりする効果が期待されます。

 

冷凍した焼き芋を半解凍状態で食べるのもおすすめです。 スプーンですくって食べれば、砂糖を加えていないのにクリーミーで、新感覚の焼き芋アイスとして楽しめます。

焼き芋トーストでブランチに

焼き芋トースト さつまいも餡

 

朝食やブランチにおすすめなのが、焼き芋トースト。甘さと香ばしさのコンビネーションがクセになります。

 

  1. 薄切りにした焼き芋を食パンに乗せる
  2. お好みでバターやシナモンシュガーを少量加え、トースターで焼き色がつくまで焼く

デリ風焼き芋サラダ

デリ風焼き芋サラダ さつまいもとレーズンとチーズのサラダ

 

デリのようなおしゃれなサラダも簡単に。 さつまいもを調理する手間が省けるので、忙しい時にもぴったりです。

 

<材料>(4人分)
・焼き芋… 2本
・くるみ…20g

・ブルーチーズ…20g
・レーズン…20g
A)・メープルシロップ…大さじ1
A)・アップルビネガー…大さじ1
A)・オリーブオイル…大さじ1
A)・塩…少々
・粗挽き黒胡椒…適量
・イタリアンパセリ…適量

 

<下準備>
・焼き芋は一口大に、ブルーチーズは小さく切っておく
・くるみは粗く砕いておく
・ レーズンはぬるま湯で戻しておく

 

<作り方>

  1. ボウルにAの材料を入れ、よく混ぜてドレッシングを作る
  2. 1に焼き芋、くるみ、ブルーチーズ、レーズンを加えてさっと混ぜ合わせる
  3. 器に盛り付け、粗挽き黒胡椒とイタリアンパセリを散らしたら完成
さつまいものスイーツレシピアイデア|保存方法もおさえて安心&美味しいおやつを手作りしよう!

焼き芋の保存テクニック

電子レンジで美味しい焼き芋をたくさん作っても、余ってしまったらどうしようと心配になる人もいることでしょう。  適切な方法で保存すれば、長期間美味しく楽しむことができますよ。

保存には冷凍保存がおすすめ

カットされた冷凍焼き芋 さつまいも

 

焼き芋は冷凍保存に向いています。 作りたての美味しさを比較的長くキープでき、目安は2〜3週間ほど。冷凍する際のポイントは以下の通りです。

 

●粗熱を取る

加熱後はしっかり冷ましてから冷凍しましょう。

 

●カットする

そのまま丸ごとでも良いですが、食べやすい大きさにカットしておくと、使う際に便利です。 マッシュや角切りにしておくと、解凍後も調理しやすくなります。

 

●個別にラップ

カットした焼き芋は、一つずつラップでぴったりと包みます。

 

●冷凍用保存袋に入れる

ラップで包んだ焼き芋を冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかりと抜いて袋の口を閉じ、冷凍庫へ入れましょう。冷凍ストックでごはん作りが変わる!食材別の保存術まとめ

冷凍焼き芋の温め直し方

電子レンジを操作する人の手元

 

冷凍した焼き芋は、温め直すことで再び美味しく食べられます。半解凍でひんやりスイーツ感覚で食べるのもおすすめです。

 

●オーブンでじっくり

凍ったままの焼き芋をアルミホイルで包み、180℃に予熱したオーブンで約15分加熱。 その後、5分ほど余熱で温めると、しっとりとした仕上がりになります。

 

●電子レンジで手軽に

ラップを外し、凍ったままの状態で電子レンジ(600W)で約3分加熱。 この時、加熱しすぎるとパサつきの原因になるため、中心がほんのり冷たいくらいがおすすめです。芋の大きさで加熱時間は変わるので様子を見て温めるようにしましょう。

 

●オーブントースターでカリッと

電子レンジで温めた後、さらにオーブントースター(1000W)で約3分焼くと、皮がカリッとして香ばしさが加わり、まるで焼きたてのような美味しさになります。電子レンジで揚げ物をカリッとおいしく温め直す方法!ベチャッとしないポイントや種類別の手順を紹介

まとめ|レンジ一本でも、ねっとり・蜜感たっぷりの焼き芋が楽しめる!

蒸して皮をはいださつまいも 焼き芋

 

今回は、電子レンジで作るねっとり・蜜たっぷりの焼き芋の作り方を紹介しました。特別な道具がなくても、ちょっとした工夫で本格的な味わいが楽しめます。この冬は、電子レンジを使って甘くて美味しい焼き芋を作ってみてくださいね。きっと、家族みんなが笑顔になる、温かいおやつになることでしょう。

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ななこ

written by...ななこ

「伝わる」「感じる」文章をお届けするフリーランスライター。美容や健康に気を使いたいお年頃。美味しいものとNetflixが大好きなインドア派ママです。