Nov 17, 2025
【医師監修】ダイエット中には湯豆腐がおすすめ?効果や注意点、簡単レシピを紹介
つい食べ過ぎて体重が増えてしまったり、胃腸の調子が悪くなったり、食生活を見直したいときにおすすめなのが「湯豆腐ダイエット」です。最近はインフルエンサーのダイエット成功例も話題ですね。
そこで今回は、沢岻美奈子女性医療クリニック神戸院の押切佳代院長監修のもと、湯豆腐がダイエットに向いている理由や注意点、基本の作り方やおすすめ具材まで、まとめてご紹介します。
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湯豆腐とは

湯豆腐は、昆布のだし汁で豆腐を温め、醤油や薬味と一緒に食べるシンプルな料理です。豆腐は7~8世紀の奈良時代に大陸から日本に伝わり、鎌倉時代には禅宗の僧侶たちが精神料理として湯豆腐を作り始めたといわれています。
もともと京都で豆腐は作られていませんでしたが、京都の良質な地下水が美味しい豆腐作りにつながり、現在では京都の伝統的なご当地グルメとして「湯豆腐」が親しまれるようになりました。
シンプルだからこそ豆腐本来の味わいを楽しめ、栄養豊富な豆腐をたっぷり食べられるのが魅力。今では地元京都の人々だけでなく、県外から訪れる人々にも愛されています。
湯豆腐がダイエット中におすすめな理由
それでは、なぜ湯豆腐がダイエット中の食事に向いているのでしょうか? ここでは湯豆腐ダイエットをおすすめする理由をご説明します。
低カロリーでも豊富な栄養

豆腐は、低カロリー(絹ごし豆腐100gあたり56kcal/木綿豆腐100gあたり73kcal)でありながら、栄養素が豊富に含まれているため、ダイエット中の食材としておすすめです。
例えば、絹ごし豆腐「150g(約1/2丁)」に含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
●たんぱく質:8g(牛肉肩ロース58g相当)
●ビタミンE:0.2mg(キャベツ2枚分相当)
●カルシウム:110mg(プレーンヨーグルト92g相当)
●鉄分:1.8mg(牛レバー45g相当)
●マグネシウム:75mg(カキむき身8個分115g相当)
●カリウム:230mg(トマトジュース90ml相当)
たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・髪など体を構成するだけでなく、ホルモンや抗体など体調を整えるためにも使われます。豆腐の原料である大豆には、こうした良質なたんぱく質が豊富に含まれているため、ダイエット中でも効率よく栄養を補うことができます。
さらに、マグネシウムやカリウムなどのミネラル類、ビタミンE、カルシウム、鉄分も豊富に含まれており、ダイエット中でも栄養バランスをサポートしてくれます。
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脂肪の吸収を防ぐ
豆腐に含まれる「サポニン」には、腸で取り入れた糖が脂肪として吸収されるのを防ぐ働きがあります。さらに、血液中の脂肪分を減らす作用もあり、結果として脂肪の吸収や蓄積が抑えられるため、ダイエット効果が期待できます。
美肌効果が期待できる

豆腐には、美肌効果が期待できる「大豆イソフラボン」「サポニン」「大豆たんぱく質」が含まれています。女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、年齢や生活習慣によって減少すると、肌のしわやたるみなど老化現象を引き起こします。豆腐に含まれる「大豆イソフラボン」は、エストロゲンに似た働きがあり、肌のハリや潤いを保つコラーゲンやヒアルロン酸の生成をサポート。美肌効果が期待できる成分です。
さらに、豆腐に含まれる「サポニン」には強い抗酸化作用があり、肌の老化を防いで活性化酸素によるダメージを軽減。加えて、肌や髪・爪を作るもととなる良質の「大豆たんぱく質」も豊富に含まれています。
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湯豆腐の食べすぎには注意すべき理由

ダイエットに湯豆腐はおすすめですが、たくさん食べてしまうのは逆効果です。ここでは、湯豆腐の食べすぎに注意すべき理由と、1日あたりの摂取量の目安をまとめてご説明します。
お腹の不調につながる
豆腐には便秘改善に役立つ「食物繊維」が含まれていますが、一方で腸内ガスが溜まりやすくなる「ラフィノース(オリゴ糖の一種)」も含まれています。そのため、食べ過ぎるとお腹の不調につながることがあります。
豆腐を過剰に摂取すると、消化不良で胃腸に負担がかかり、腹痛や下痢を引き起こす場合も。腸内環境によってはガスが溜まり続け、その影響でおならが臭くなることもあります。
ホルモンバランスへの影響
豆腐に含まれる「イソフラボン」には、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きがあります。そのため、食べ過ぎるとホルモンバランスへ影響を及ぼす可能性があります。女性の場合は生理周期の乱れ、男性では精子量の減少などにつながるおそれがあるため、食べ過ぎには注意が必要です。
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1日あたりの摂取量の目安
前述のとおり、豆腐を食べすぎると、ダイエット効果どころか体に負担をかけてしまうことがあります。こうしたデメリットを避けるためには、1日にどのくらい食べてよいのか、摂取量の目安を知っておくことが大切です。
豆腐の1日あたりの摂取量の目安は「150g(約1/2丁)」。この量であれば毎日食べても問題ありません。適切量を守りつつ、肉・魚・野菜などとバランスよく食べることがポイントです。
湯豆腐の基本的な作り方
ダイエットにおすすめの湯豆腐。せっかくなら、美味しく作って楽しみたいですよね。ここでは、湯豆腐の基本的な作り方レシピをご紹介します。

<材料>(2人分)
・お好みの豆腐…1丁(やわらかい絹ごしなど)
・昆布…鍋の直径ほどの長さ1枚(おすすめは利尻昆布)
・塩…少々(おすすめは自然塩)
<作り方>
- 土鍋に水(適量)と昆布を入れ、30分以上浸して出汁をとる
- 塩を加えて、煮立てないよう弱火で15分ほど煮て、昆布が浮いてきたら取り出す
- まな板にふきんまたはペーパータオルを敷き、豆腐をその上に置いて縦4列・横3列に丁寧に切り、12等分にする
- 1に3の豆腐を加え、弱火で温めて豆腐がふわっと浮いてきたらできあがり
湯豆腐が完成したら、できたてをすぐに味わいましょう。調味料は、自然塩・生醤油・ポン酢・タレ、お好みの薬味など。大豆本来の甘味と旨みが広がり、なめらかな食感を堪能できます。調味料は控えめにして、豆腐そのものの風味を感じてみるのもおすすめです。
湯豆腐に合う!ダイエット中におすすめの具材

ダイエット中に湯豆腐を取り入れるなら、豆腐だけでなく他の具材も一緒に楽しみたいですよね。ここでは、湯豆腐と相性がよく、ダイエット中でも安心して取り入れられるおすすめの具材をご紹介します。
白菜

白菜は、低カロリー・低脂質でありながら、ダイエットをサポートする栄養素も豊富に含まれています。茹でた白菜は、可食部100gあたりわずか13kcal、脂質は0.1gと非常に低いため、湯豆腐と一緒に取り入れることで安心して楽しめます。さらに、白菜には以下のような栄養素が含まれており、ダイエット効果を高めてくれるのも魅力です。
・モリブデン…必須ミネラルの一つで、エネルギー消費の低下を防ぐ
・不溶性食物繊維…腸内環境を整え、便通を促す
・カリウム…むくみの解消に役立つ
・ビタミンC…脂肪細胞の増加を抑え、代謝アップをサポート
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きのこ

きのこは低カロリーで栄養価が高く、少量でも満足感を得やすいダイエット向きの食材です。種類によって差はありますが、100gあたり約20~30kcalと低カロリー。弾力のある食感で自然と噛む回数が増え、ゆっくり食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎ防止にもつながります。
・食物繊維…腸内環境を整え、脂肪の蓄積を防ぐ
・ビタミンB群…糖質や脂質の代謝をサポート
・ビタミンD…カルシウムの吸収を促す
・カリウム…むくみ予防に効果的
・キノコキトサン…脂肪の吸収を抑え、内臓脂肪の蓄積を防ぐ
低カロリーながら栄養が豊富なきのこは、湯豆腐と組み合わせることで、満腹感と不足しがちな栄養を補給する両面からダイエットに役立ちます。
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鱈

鱈は「高たんぱく・低脂肪・低カロリー」がそろった、ダイエット中に心強い食材です。100gあたり約72kcal、脂質0.2gと非常に低い一方、たんぱく質は17.6gとしっかり含まれています。同じたんぱく質量の白身魚(鯛や太刀魚)と比べると、エネルギーは半分~3分の1、脂質は5分の1以下とヘルシー。必須アミノ酸も豊富で、筋肉を維持しながらダイエットをサポートします。
また、イノシン酸やグルタミン酸といった旨み成分がバランスよく含まれているため、淡白でも少量で満足感があります。湯豆腐の具材にすれば、カロリーを抑えつつしっかり食べた気持ちになれるのが魅力です。魚油(DHA/EPA)の含有量も少なく、ダイエット中でも安心して楽しめます。
おわりに

湯豆腐は、食べ過ぎにさえ注意すれば、ダイエット中の心強い味方です。誰でも簡単に始められるので、無理なく続けられるのも魅力。ぜひ日々の食事に取り入れてみてくださいね。
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押切 佳代
医療法人社団 沢岻美奈子女性医療クリニック院長/糖尿病専門医
女性医療を専門とするクリニックで糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を中心に、女性のライフステージに寄り添った診療を心がけています。健康と美容の両立をめざしたダイエット外来でも試行錯誤中です。2児の母。自身も乳癌を経験した立場から女性の心と体の健康を応援しています!

あさき
旅・南の島・海・犬・植物・音楽が好きな関西移住人。毎日の暮らしを心地よく、より豊かにするための情報をお届けしています。





