Jun 12, 2025
薬膳スイーツで心と体をいたわろう♪自宅で手軽に作れるレシピを紹介

薬膳は「難しそう」「手間がかかりそう」と思われがちですが、実は普段使っている食材で簡単に取り入れることができます。なかでも気軽に始めやすいのが薬膳スイーツ。心と体をいたわるやさしいおやつは、日常の中にも取り入れやすく、楽しみながら体調ケアができるのも魅力です。
今回は、薬膳スイーツ作りのポイントや、おすすめのレシピをご紹介します。
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薬膳とは?
薬膳とは、食材や食薬を活用し、飲食・養生・健康維持や促進、病気予防などを目的とした中国発祥の食文化です。中国で古くから伝わる「薬食同源」という考え方に基づき、薬膳は食材が持つ自然の力を活かした食養生で体調を整え、心身の健康や長寿を目指すものです。
「薬膳料理って、なんだか薬くさそう」といったイメージを持たれることがありますが、実はそんなことはありません。旬の野菜や身近な食材を選ぶだけでも、立派な食養生の第一歩。食養生とは、季節や体調に合わせた食材を選び、健康を維持・改善する食事法のことです。例えば、夏野菜の苦瓜やトマト・スイカは体の熱を取る性質があり、熱中症予防や暑さ対策に役立ちます。逆に、冬野菜のニラやネギ・根菜類は体内の冷えや寒さを取り除き、血流を促す効果があります。
さらに薬膳では、体の「陰陽(陰=暗い・冷たい・重い、陽=明るい・温かい・軽い)」の相反する2つの性質のバランスが乱れると体調不良につながると考えられており、陰陽の調和を保つことが重要です。また食材の性質を分類する「五性(熱・温・平・涼・寒)」を基に、季節や体調に合わせた食材を選ぶことで健康維持と体調改善を目指します。
スイーツ作りに薬膳を取り入れるポイント
スイーツ作りにも手軽に取り入れることができる薬膳。ここでは薬膳の考え方に基づいて、スイーツに薬膳をプラスするための食材選びのポイントを簡単にご紹介します。
旬の食材を選ぶ
材料は、できるだけ旬の食材から選びましょう。これは薬膳の「陰陽」に基づいており、新鮮な旬の食材をバランスよく取り入れることで、季節ごとに起こりやすい体調の乱れを整えることができます。例えば、夏が旬の食材には体の熱を冷ます働きが、冬が旬の食材には体の内側から温める働きがあります。
さらに、旬の食材は一年で最も美味しく、時期外れの食材に比べて栄養価が高いため、体にもよい影響を与えます。
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体調に合わせて食材を選ぶ
体質や体調・健康状態に応じて、適した食材を選ぶことも大切です。まずは自分の体質や健康状態を漢方の考え方で示す「証(しょう)」、次に食材の持つ働きである「作用」「性(せい)」について知ることが重要です。そして、それぞれに合った食材を組み合わせることが薬膳となり、体内のバランスを整え、より健やかな状態へと導いてくれます。
砂糖の種類と効能を知ろう
薬膳スイーツを作るとき、意外と見落としがちなのが砂糖の選び方。中医学では、砂糖の性質を「潤(うるおす)」という視点でとらえます。その中でも実は、種類によって体への作用が異なるんです。
たとえば、白砂糖はこの「潤」の働きが強い反面、体を冷やす性質があり、むくみやすい人は摂りすぎに注意が必要です。一方、黒糖は体を温める力があり、冷えが気になる時にぴったり。氷砂糖は肺や喉の乾燥を潤してくれ、空咳などにも働きかけてくれると言われています。
目的や体調に合わせて種類を選び、適量を心がけることが、おいしくてからだにやさしいスイーツづくりのコツです。
薬膳スイーツ作りに挑戦
ここからは、気軽に始められる薬膳スイーツのレシピを5つご紹介します。薬膳のポイントとなる材料やその効果もまとめていますので、ぜひお試しくださいね。
肌荒れ改善に!白きくらげとりんごのはちみつ煮
「白きくらげとりんごのはちみつ煮」は、肌荒れが気になるときにおすすめの薬膳スイーツ。白きくらげ・りんご・はちみつは、いずれも身体に潤いを与える食材で、特に白きくらげは美肌への効果が期待できます。
<材料>
・白きくらげ(乾燥)…4g
・りんご…1/2個
・水…200cc
・はちみつ…35~40g
・レモン汁…小さじ2
<作り方>
- 白きくらげをさっと洗い、熱湯で15~20分ほどさらして戻し、ザルにあげる
- 白きくらげの硬い部分を取り、食べやすい大きさにちぎる
- りんごの皮をむいて、1cm角に切る
- 鍋にきくらげ・りんご・水を入れ、中火にかける
- 沸いてきたら、弱火で10分煮る
- はちみつ・レモン汁を入れて、さらに10分煮る
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やして完成
肌トラブルを予防 台湾スイーツ 豆花
台湾の定番スイーツ「豆花」をゼラチンで手軽に。豆乳には、適切な量の摂取で肌トラブルを防ぐ働きがあり、見た目も味わいもやさしい一品。柔らかくぷるんとした食感を楽しめますよ。
<材料>
■豆花
・豆乳(無調整)… 500g
・きび砂糖…40g
・板ゼラチン…8g(粉ゼラチンの場合 8g 水 40g)
■シロップ
・水…120g
・きび砂糖…60g
・生姜スライス…5枚
■デコレーション
・お好みのトッピング(おすすめ…季節のフルーツ・粒あん・きな粉・ナッツなど)
<作り方>
下準備として、板ゼラチンを氷水でふやかし、生姜をスライスしておきます。
■豆花
- 豆乳の1/3ときび砂糖を合わせて、50℃程度まで温める
- ふやかしたゼラチンの水気を切って、温めた豆乳に加えて溶かす
- ボウルなどに移して、残りの豆乳を加えて混ぜる
- 氷水に当ててある程度冷やしたら、ラップをして冷蔵庫で冷やし固める(2時間以上)
■シロップ
- 鍋に水と生姜スライスを入れて沸騰させる
- きび砂糖を加えて再び沸騰させたら、ボウルなどに移して冷やす(生姜も一緒に)
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やす
■トッピング
- トッピングに使う具材を食べやすい大きさに準備する
- 固まった豆花をグラスに盛り付け、その上にトッピング具材を乗せて、シロップをかけたら完成

風邪予防や咳止めに 白きくらげと和梨の薬膳スイーツ
「白きくらげと和梨の薬膳スイーツ」は、中国の宮廷女性たちが愛用した薬膳スイーツ。風邪予防や咳止め効果が期待される梨や、美容に嬉しい白きくらげを使ったレシピです。冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
<材料>
・白きくらげ(乾燥)…20g
・梨…1個
・なつめ(乾燥)…10個
・氷砂糖…100g
・はちみつ…適宜
<作り方>
- 白きくらげを多めの熱湯でもどし、ざるに上げる
- 鍋に1を入れ、水1.5L(分量外)を注ぎ、なつめ・氷砂糖を加え、蓋をして強火にかける
- 煮立ったらトロ火にして、3時間ほど煮る(圧力鍋の場合は1時間ほど)
- 梨の皮をむいて6~8等分に切る
- 蓋を開けて梨を加え、再び蓋をして15分~30分煮る(圧力鍋の場合は圧力はかけずに蓋をする)
- 器に盛り、お好みではちみつを加えて完成
デトックスに バナナチャイ
デトックスにおすすめのバナナと、体を温めてくれるシナモンを使ったドリンク。バナナの自然な甘みでお砂糖いらずの優しい1杯は、おやつや朝にぴったりです。
<材料>
・水…100cc
・紅茶ティーパック…1
・シナモンスティック…1
・牛乳…100cc
・バナナ…1本(完熟バナナがおすすめ)
・クコの実…お好みで
<作り方>
- 鍋に水・紅茶ティーパック・シナモンスティックを入れて紅茶を煮出し、シナモンの香りをうつす
- 鍋に牛乳・細かく切ったバナナを入れ、お玉でつぶしながら、バナナの原型が無くなるまで煮込む
- 大き目のティーカップにうつし、お好みでふやかしたクコの実をトッピングしたら完成

美肌を目指すなら 薬膳デザートスープ
白きくらげには美肌効果・滋陰潤肺。ナツメには滋養強壮・血行促進。クコの実には肝臓と腎臓強化・生活習慣病予防と改善。龍眼には滋養強壮・補気補血。代表的な薬膳食材を贅沢に使った、温かくても冷たくても美味しいデザートスープです。
<材料>
・水…適量(水戻し用)
・白きくらげ(乾燥)…15g
・クコの実…10g
・ナツメ…20g
・龍眼…40g
・水…500cc
・三温糖…20g
<作り方>
- 白きくらげを水に浸けて、1時間置く
- クコの実・ナツメを洗って水に浸ける
- 龍眼の皮をむき、実を取り出す
- 水で戻した白きくらげを軽く洗い、固い部分を取り除いて食べやすい大きさに切る
- 鍋に水と白きくらげを入れて、弱火で40分煮る ※水は様子を見て足していく
- 鍋に2、3を加えて、20分煮る
- 火を止めてから、三温糖を入れて混ぜ、カップに盛りつけたら完成
薬膳スイーツ作りに挑戦しよう
薬膳の知恵を取り入れたスイーツは、意外と身近な食材で手軽に作れるものばかり。ちょっとした工夫で、おいしくて体にもやさしいおやつが完成します。日々のリフレッシュタイムに、気軽に薬膳スイーツを取り入れてみてくださいね。



あさき
旅・南の島・海・犬・植物・音楽が好きな関西移住人。毎日の暮らしを心地よく、より豊かにするための情報をお届けしています。