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【管理栄養士監修】うなぎの食べ合わせで効果倍増!梅干しはNG?本当に相性のいい食材とは

鰻丼 うなぎ

うなぎといえば、夏になると食べたくなる定番のスタミナ食。最近ではスーパーでも手軽に手に入るようになり、「せっかくだからおうちで調理して食べてみようかな」と思う人も増えているのではないでしょうか。

でも、うなぎって「梅干しとは一緒に食べちゃダメ」なんて話、聞いたことありませんか?
今回はそんな“うなぎの食べ合わせ”について、わかりやすくご紹介します。体に嬉しい効果が期待できる組み合わせや、おいしく食べるコツもまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

うなぎに含まれる栄養素と体にうれしい健康効果とは?

うなぎの白焼き

 

昔から日本人に親しまれているうなぎ。脂がのっているためカロリーはやや高めですが、魚の中でもたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富で栄養価の高い食材です。特にビタミンB群は、疲労回復やエネルギー代謝を助ける働きがあり、「夏バテ防止にうなぎ」と言われるのもそのためです。

 

さらに、うなぎには女性にうれしいコラーゲンも含まれているので、美肌ケアや関節の健康への効果も期待されています。

うなぎと梅干しは本当にNG?迷信のルーツと食べ合わせの基本

うなぎ 鰻丼と味噌汁、日本酒のセット

 

「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」って聞いたことはありませんか?実はこれは、昔の言い伝えや生活の知恵からきているだけで、医学的な根拠はないんです。そう言われてきたいくつかの理由があるようです。

 

ひとつは胃にやさしくないと思われていたから。脂が多いうなぎと酸味の強い梅干しを一緒に食べると、胃腸に負担がかかると考えられていたようです。特に夏場の体調を気遣う中で、避けられていたのかもしれませんね。

 

もうひとつは、贅沢を戒めるための“ちょっとした嘘”だった説。梅干しは食欲を刺激するので、うなぎと一緒に食べるとつい食べすぎてしまう…そんな贅沢を控えさせるための知恵だったともいわれています。

 

現代では、これらの食材を一緒に食べても問題はなく、味の相性も良いため、むしろ食欲増進に役立つ組み合わせとも言えます。

実際はどうなの?うなぎと梅干しの相性

梅干し

 

実は、うなぎと梅干しは栄養の面でも相性のよい組み合わせです。うなぎに豊富に含まれるビタミンB群は、糖質や脂質の代謝を助け、エネルギーを効率よく生み出すのに役立ちます。また、梅干しに含まれるクエン酸は、疲労物質の分解を助けたり、エネルギー代謝に関わるTCA回路をサポートしたりする働きがあります。そのため、夏の疲れやすい時期には、代謝をサポートしてくれる理想的な組み合わせと言えるでしょう。

うなぎをもっとおいしく健康的に!効果別・おすすめの食べ合わせ

うなぎをもっとおいしく、もっと体にやさしく食べたいなら、組み合わせる食材にもひと工夫してみましょう。ここでは、効果別におすすめの食べ合わせをご紹介します。

夏バテ対策に最適!うなぎ × トマトでビタミン補給

うなぎ 鰻丼弁当とトマトや錦糸卵など

 

トマトにはビタミンCやリコピンが豊富に含まれています。リコピンは脂溶性の抗酸化成分のため、脂質と一緒に摂取することで吸収率がアップするので、脂ののったうなぎとは相性ばっちりなんです。紫外線や疲れによる体のダメージを内側からケアしてくれる、夏にぴったりの組み合わせです。

風邪予防にも◎うなぎ × ネギで免疫力を高めよう

ネギが乗った鰻のひつまぶし

 

ネギは、抗菌作用のあるアリシンやビタミンCを含み、風邪予防や免疫サポートに役立つ食材です。うなぎにはビタミンCがほとんど含まれていないため、ネギを薬味として添えることで栄養バランスがさらにアップ。風味も豊かになり、食欲をそそる一品になります。

美肌づくりに!うなぎ × ブロッコリー・かぼちゃ・ジャガイモ

ブロッコリー かぼちゃ ジャガイモ さつまいも レタス にんじん の温野菜

 

うなぎにはコラーゲンが多く含まれているため、肌のハリや弾力を保つサポートが期待できます。さらに効果を高めるためにはコラーゲンの生成を促進するビタミンCが含まれる食材と合わせて摂るようにしましょう。ブロッコリー、かぼちゃ、じゃがいもなどはビタミンCや食物繊維も豊富で、栄養バランスも◎な組み合わせです。

香りで食欲アップ!うなぎ × 山椒の黄金コンビ

山椒がかかった鰻丼 うなぎ

 

うなぎといえば山椒!という人も多いのでは。山椒に含まれる香り成分には、消化液の分泌を促して食欲を高める働きがあるとされており、食欲が落ちやすい夏場にもおすすめの組み合わせです。ごはんが進む黄金コンビですね。

脂っこさをリセット!さっぱり味のうなぎ × きゅうり

きゅうりとうなぎとわかめの和物 うざく

 

「うざく」と呼ばれる料理は、うなぎの蒲焼きと酢の物にしたきゅうりを合わせたもの。うなぎの脂のうまみを、酢のさっぱりとした酸味が引き立ててくれるため、味のバランスがよく、暑い季節にも食べやすい組み合わせとされています。

鉄分の吸収率UP!うなぎ × ほうれん草で貧血予防

ほうれん草のおひたし

 

ほうれん草には鉄分やビタミンC、葉酸などが豊富に含まれていて、ビタミンCの働きによって、ほうれん草に含まれる鉄の吸収率をぐっと高めてくれます。さらに、うなぎに含まれるビタミンAやEと一緒にとることで、ビタミンCとの相乗効果が高まり体の中の酸化ストレスを軽減する働きも期待できるでしょう。栄養バランスに優れた組み合わせです。

うなぎと相性が悪い食材は?

チョコレートアイスバー

 

うなぎは脂質が多く、消化にやや時間がかかる食材です。脂質の多い食材や冷たいものを同時に大量に摂ると、胃に負担を感じることも。また、冷たいアイスやスイカなどを食後すぐに摂ると、胃腸の働きが一時的に鈍くなることがあり、人によっては消化不良を起こしやすくなってしまいます。食後は身体を冷やしすぎず、消化の良いものを意識することで、胃腸にやさしい食べ方になります。

スーパーのうなぎも絶品に!美味しく食べる簡単テクニック

最近は、スーパーでも手軽にうなぎが買えるようになってきましたね。でも「お店のうなぎとは違って、なんだかイマイチ…」と思ったこと、ありませんか?そんなときは、ほんのひと工夫でグッと美味しさがアップしますよ。

ふっくらジューシーに!市販のうなぎを劇的に美味しくする裏技

スーパー 市販品のうなぎの蒲焼

 

市販のうなぎを美味しくする裏ワザとしておすすめなのが、「ぬるま湯でサッと洗う」こと。蒲焼きの表面にはタレや油がたっぷりついており、時間が経つと酸化して風味が損なわれる原因になります。40〜50℃程度のぬるま湯で軽く洗えば、余分なタレや脂を落とすことができ、すっきりとした味わいに。うなぎの身が崩れやすいので、やさしく扱ってくださいね。洗ったあとはしっかり水気を拭き取り、フライパンやトースターで軽く温め直すと、ふっくら美味しく仕上がります。

温め直しはこれでバッチリ!おすすめの加熱方法

アルミホイルの上にうなぎ 温め直す様子

 

うなぎの温め方にはいくつか方法があります。どれも簡単なので、自分に合ったものを試してみてください。

 

●フライパンで温める方法
くっつかないタイプのアルミホイルをフライパンに敷き、うなぎを重ならないように並べます。アルミホイルの下に水を大さじ1ほど入れて、フタをしてから中火で5分ほど蒸し焼きに。ふっくらジューシーに仕上がりますよ。

 

●トースターを使う方法
アルミホイルにうなぎを乗せて、トースターで約5分加熱。表面がパリッと香ばしく焼きあがります。焦げやすいので様子を見ながら加熱し、途中で向きを変えるのもおすすめです。タレを塗る場合は、加熱の最後に軽く塗って仕上げると、風味が引き立ちますよ。

 

●電子レンジを使う方法
耐熱皿にクッキングシートを敷き、うなぎを乗せて、ラップをせずに600Wで約2分温めます。機種によって加熱時間が変わるので、様子を見て調整しましょう。ただし、加熱しすぎると脂が抜けてしまったり、身がパサついたりするので注意が必要です。

部位によって栄養も違う?うなぎの丸ごと活用ガイド

うなぎ一尾 丸焼き 鰻蒲焼き 国産鰻

 

うなぎは部位によって味や食感、含まれる栄養も変わってきます。それぞれの特徴を知っておくと、もっと楽しめますよ。

 

・頭(半助)
関西ではうなぎを頭付きのまま調理することが多く、切り落とした頭の部分は半助と呼ばれ、煮物などに使われることもあります。関東では頭を切り落として調理し、出汁を取るために使われます。

 

・薄腹
うなぎの頭の下あたりで、内臓に近いため旨みがギュッとつまっています。小骨は多いですが、身が薄くて香ばしく焼けやすいのが特徴です。しっかり焼けば骨も気になりにくく、通好みの味わいが楽しめます。

 

・中心部
肉厚で食べ応えがあり、小骨が少なく食べやすい部位です。蒲焼きとしてよく使われます。

 

・しっぽ
うなぎの下部分は一番動く部分なので、脂や旨味が凝縮されています。薄い部分で火が通りやすく、香ばしさが引き立ちやすいので、うなぎの中でも一番美味しい部位ともいわれています。

正しい食べ合わせでうなぎをもっとヘルシーに楽しもう

鰻丼と味噌汁 きゅうりの小鉢のセット うなぎ

 

昔から「うなぎと梅干しは一緒に食べないほうがいい」と言われてきましたが、梅干しのクエン酸には疲労回復効果があり、うなぎの栄養と合わせると、夏バテ対策にぴったりの組み合わせ。うなぎに合う食材を上手に取り入れて、栄養たっぷりのうなぎをもっと楽しんでくださいね。

林 安津美

林 安津美

管理栄養士/病態栄養専門管理栄養士/日本糖尿病療養指導士/腎臓病療養指導士/がん病態栄養専門管理栄養士/和漢薬膳師等

あいち厚生連で37年間病院の管理栄養士として勤務。その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療をお届けできるよう努めている。

古泉葵

written by...古泉葵

2020年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は読書と手芸と料理。食べ歩きも好きで、夫婦で旅行に出かけることが好きです。