Mar 26, 2025
【専門家監修】朝にウォーキングするべき理由!効果を高めるコツやおすすめの時間も紹介

運動不足を解消するために何か運動を始めたいと思っても、なかなか重い腰が上がらない、なんて人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、朝にウォーキングをすること。今回は、数多くのトップアスリートへの指導実績を持つ、日本コアコンディショニング協会副会長の石塚利光さん監修の元、朝にウォーキングをすることで得られる効果や効果を得やすくするためのコツについて紹介します。間違った方法でウォーキングをしてしまうと逆効果になってしまうこともあるので、大事なポイントを意識しながらぜひウォーキングを始めてみましょう。
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朝のウォーキングがおすすめな理由
朝にウォーキングするといい理由について3つ紹介します。
基礎代謝アップ
1つ目は、朝のウォーキングによって基礎代謝が上がるからです。午前中はまだ身体が起きたばかりで活動量が低い分代謝が低い状態になりがちですが、朝にウォーキングをすることで、代謝が高まり午前中からエネルギーを消費することができます。また、起床時は体内にエネルギーの元となる糖質が少ない状態なので、運動をすると脂肪を燃焼しようとします。そのため、朝のウォーキングは脂肪燃焼効果が高いので、ダイエットしたい人にも向いています。
生活リズムの改善
2つ目は、朝のウォーキングによって生活リズムが改善されるからです。ウォーキング時間を設けるためにいつもよりも早く起きる必要があり、夜更かしを避けて生活リズムが整うようになります。また、朝に日光を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌され、体内時計をリセットする効果があります。セロトニンは夜になるとメラトニンというホルモンを作り、睡眠の質を高めてくれます。夜なかなか寝付けないと悩んでいる人にもおすすめです。
心身のリフレッシュ
3つ目は、朝のウォーキングによって心身がリフレッシュされるからです。特に天気の良い朝に、澄んだ空気や風を感じながら歩くことで、気持ち良さを感じることができるでしょう。日光を浴びることで生成されるセロトニンには、精神の安定や安心感を与える効果があります。ウォーキングで血流が良くなり、体がほぐれると、心もほぐれやすくなるという結果も出ています。
朝にウォーキングする場合の最適なタイミング
朝にウォーキングをする場合、タイミングによって得られる効果も変わってきます。ここでは健康促進のためにおすすめのタイミングをご紹介します。
起きてから1時間以内にスタート
起きてから1時間以内にウォーキングをスタートさせましょう。目が覚めてすぐに活動的になることが難しいという人は、まずは部屋のカーテンを開けて外の光を入れてみましょう。そしてゆっくりと身支度を行い、顔を洗う、コップ1杯の水を飲むなどを行えば、副交感神経が優位な状態から交感神経が優位な状態へと変わり、目覚めてから30分もすれば活動的になってきます。起きてから1時間以上も準備に時間をかけてしまうと、その後のスケジュールにも影響し、睡眠時間にも影響しますので、なるべく1時間以内を目指しましょう。
朝食前にウォーキング
朝にウォーキングをする場合は朝食の前に行うようにしましょう。朝食後にすぐウォーキングをしてしまうと、食べたものが完全に消化しきれておらず胃腸に負担がかかってしまいます。もし朝食後にウォーキングしたい場合は、30分〜1時間ほど時間を空けるようにしましょう。
脂肪燃焼効果やダイエット目的であるなら、朝食前にウォーキングすることをおすすめします。朝食前であればエネルギー源である糖質が体内に少ない状態のため、代わりに脂質がエネルギーとして使われるようになるからです。ただしウォーキング後の朝食では、エネルギーやたんぱく質を十分に摂取できるメニューを食べてしっかり栄養補給するようにしましょう。 簡単&便利なダイエットレシピ集!美味しく食べて痩せ体質になろう
朝のウォーキングで効果を高めるコツ
せっかく朝にウォーキングをするのであれば、効果が高い方がうれしいですよね。そこで、効果的なウォーキングのコツをご紹介します。
準備運動として体幹ケアをしっかり
寝起きの体は硬く、頭もはっきりしていないことが多いです。そのため、起床後30分程度は家で身支度や準備運動をしましょう。準備運動としては、体幹のインナーマッスルの働きを高めてあげることが大切です。インナーマッスルの働きを高めるために良い姿勢を意識し、深呼吸を5〜10回繰り返すだけ。息を吐くときにお腹を引っ込めていくことを積極的に行うとさらに効果的です。ウォーキング前に、この体幹ケアを行うことで、ウォーキング時の姿勢がよくなり、体幹の筋肉の働きも促されるため、けがを防止し、ウォーキングの効果を高めることができます。
ウォーキング前の水分補給
寝起きの体は水分が不足していて、血液もドロドロになっていることがあります。そのままウォーキングをしてしまうと、脱水症状を起こす危険性があります。そのため、まずはコップ1杯分のお水を飲みましょう。冷たいお水だと体温を下げてしまうので、白湯や常温の水がおすすめです。

ウォーキング時間は15~30分
朝は徐々に体が覚醒していくので、いきなり長時間のウォーキングはおすすめしません。時速5~6kmのペースで、15~30分のウォーキングがおすすめです。30分を超えるとセロトニン神経の働きを低下させてしまい、身体の負担になってしまう場合があります。自分の体調を見ながら無理ない程度でウォーキングしましょう。
テンポ良く歩く
ウォーキングなので、ジョギングのように速く走る必要はありません。スピードよりも一定のリズムを繰り返すことが、セロトニンの活性を促します。「ワン、ツー、ワン、ツー」とリズミカルに歩きましょう。歩く速さの目安は、歩きながら歌が歌えるようでは軽すぎて、会話ができないくらい息が上がってしまっては強すぎるというイメージで調整してみてくださいね。
日の光を浴びながら歩く
日の光を浴びることで、セロトニンが生成されます。特に重要なのが目です。目の網膜にある程度の強さの光を入れることが大切といわれています。日焼け対策でサングラスをする場合もありますが、日の光を浴びる時間もつくるようにしましょう。
朝のウォーキングで注意すべき点
朝のウォーキングをする時に注意すべき点を紹介します。
空腹はなるべく避ける
朝食前にウォーキングをしたほうがいいと上記で解説しましたが、あまりにも空腹すぎるのは危険です。貧血やめまいを引き起こす可能性があることや、うまく体を動かせずにウォーキングの効果が得にくくなってしまうことから、調子を整えることも大切です。空腹を感じる時は、消化が良いヨーグルトなどを食べてからウォーキングをするといいでしょう。
歩きすぎない
ウォーキングを1時間以上といった長時間おこなってしまうと、逆効果になる可能性があります。
1つ目の理由は、食欲を増進させる効果のあるコルチゾールというホルモンを促進させてしまうからです。長時間のウォーキングで脂肪燃焼効果は高まりますが、コルチゾールのせいで食欲が増して食べすぎを引き起こす可能性もあります。
2つ目の理由は、体がエネルギーを蓄えてしまうからです。長時間のウォーキングを日々の生活習慣にしてしまうと、体は消費するエネルギーを補うためにため込もうとします。そのため、ダイエットを目的にウォーキングをする場合は30分以内にとどめるのがおすすめです。
毎日できなくても大丈夫
ウォーキングを始めたけれど、「天気が悪くてできなかった」「寝坊してしまった」などの理由でできない日もあるでしょう。ウォーキングは毎日必ず行う必要はなく、週単位でトータルどのくらい歩けたかで考えればOKです。ただし、2週間〜2カ月程度休むとウォーキングの効果が体からなくなってしまいます。まずは週に2〜3日から始めるなど、あまり高いハードルを設定せずに始めてみてください。
朝のウォーキングは健康に良いのでおすすめ
朝のウォーキングは、リフレッシュ・ダイエット・生活リズムの改善など多くの嬉しい効果が期待できます。道具もいらずただ歩くだけなので、誰でも始めやすいおすすめの運動です。ただし、時間・朝食のタイミング・水分補給などの方法を間違えていると、逆効果になることもあるので注意しましょう。心身の健康のために、ぜひ朝のウォーキングを正しい方法で始めてみてはいかがでしょうか。

石塚 利光
一般財団法人日本コアコンディショニング協会 副会長/全米アスレティックトレーナーズ協会 公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)/
コアコンディショニング協会にて副会長として運動指導者への指導を行っている。アメリカンフットボールUSAチーム アシスタントアスレティックトレーナーとしての帯同やプロバスケットチーム「名古屋ファイティングイーグルス」(Bリーグ)、プロ女子バレーボールチーム「クインシーズ刈谷」(Vリーグ)、空手形日本代表本 一将選手などトップアスリートへの指導実績多数。

古泉葵
2020年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は読書と手芸と料理。食べ歩きも好きで、夫婦で旅行に出かけることが好きです。