Sep 14, 2024
【医師監修】それって自律神経の乱れかも!身体から出ているSOSをチェックして、自律神経を整える方法8つをご紹介!
頭痛や肩こり、不眠、だるさ、便秘など、体の不調に悩んでいませんか?季節の変わり目や強いストレスがあるときに不調を感じるなら、それは自律神経の乱れからくるものかもしれません。
この記事では、自律神経が乱れる原因や身体からのSOSのサインを解説。自律神経をゆるめて身体を整える方法を紹介します。
自律神経とは?
自律神経とは、「呼吸をする」「体温を調節する」「食べ物を消化する」など、生きていくために必要な機能を維持するために働く神経のことです。
自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経があり、互いにバランスをとることで心身の健康を保っています。2つの神経は状況に応じてどちらか一方が優位になり、体のさまざまな働きを調節します。
交感神経
交感神経は体を活動モードにする役割を持ち、緊張やストレスに対処する際に優位になります。このとき、心拍数や血圧が上昇し、血管が収縮します。
副交感神経
一方、副交感神経は体を休息モードに導く役割があり、消化や回復に関与します。副交感神経が優位になると、血管が拡張し、心拍数や血圧が低下し、体がリラックス状態に入ります。
自律神経が乱れる時ってどんな時?
正反対の働きをする交感神経と副交感神経ですが、この2つのバランスが崩れた状態のことを「自律神経の乱れ」といいます。自律神経が乱れると本来行うべき働きを十分果たせなくなり、体や心のコントロールができなくなります。
ストレス
精神的なストレスは自律神経が乱れる大きな原因です。ストレスの原因は人それぞれですが、人間関係や仕事、環境の変化、過労、強い光や大きな音は、すべてストレスの要因になる可能性があります。適度なストレスは集中力アップにもつながる一方で、大きすぎると不安や悩みの種になり、自律神経のバランスを崩してしまいます。
不規則な生活習慣
夜更かしや昼夜逆転、睡眠不足など、不規則な生活も自律神経のバランスを乱す要因です。不規則な生活を続けていると生体リズムが狂ってしまい、交感神経と副交感神経が切り替わるタイミングがなくなる原因に。休日だからといって朝寝坊をしたり、やけに早く寝てしまったりすると、自律神経が乱れてかえって疲れやすくなります。
季節の変化
気温や気圧が変わりやすい季節の変わり目は、自律神経が乱れやすい時期。特に夏から秋にかけては自律神経が変化に対応しようと活発に働くため、一時的にバランスを崩しやすい時期でもあります。特に普段から自律神経が乱れがちな人は季節の変化による不調を感じやすく、落ち着くまで時間がかかることも。
疾患
自律神経の乱れは、うつ病やパーキンソン病、パニック障害、甲状腺機能亢進症など、さまざまな病気の症状のひとつとして現れることもあります。これらの疾患では、動悸やイライラ、倦怠感、発汗といった症状がみられ、治療には長い時間が必要です。適切な治療を受けるためにも、心身の不調がみられた際は自律神経以外に原因がないか、 病院で検査して調べることが大切です。
ホルモンバランスの乱れ
自律神経はホルモンの影響を強く受けます。特に女性は月経や妊娠、出産、更年期と一生のうちに女性ホルモンが不安定になる頻度が多く、ホルモンバランスの乱れによって自律神経が乱れるリスクが高いといわれています。特に閉経後はエストロゲンの分泌量が減少し、ホルモンバランスが崩れやすいため、注意が必要です。
自律神経が乱れると出る症状
自律神経が乱れると心身ともにさまざまな不調が現れますが、その症状は人によって異なります。「最近なにかと不安になる」「頭痛やめまいが続いている」などの場合は、自律神経が乱れているサインかも。自律神経からのSOSにいち早く気付けるよう普段の体調や生活を振り返って、セルフチェックをしてみましょう。
全身症状
自律神経のバランスが乱れると、発熱、ほてり、発汗、体がだるい、眠れない、動悸がする、めまい・耳鳴り・立ちくらみがするなどの全身症状が現れます。
また、飴玉がつまったような違和感がある「ヒステリー球」も、自律神経失調症でよくみられる症状のひとつです。ひどい場合は日中動くことができないほどの倦怠感があり、呼吸困難のような症状がみられることもあるでしょう。
身体症状
胃の調子が悪い、吐き気がする、下痢、便秘、頭痛、肩こり、手足のしびれなども、自律神経の乱れによって起こる症状です。
自律神経のバランスが崩れると、胃酸の分泌が不適切になったり、腸のぜん動運動が過剰に活発化したり、逆に低下することがあります。その結果、胃痛や胃もたれ、腹痛を伴う下痢や便秘など、消化器系の不調が現れやすくなります。
精神症状
イライラする、不安感があり落ち着かない、些細なことで落ち込むなど、精神的な症状が現れることもあります。
女性の場合、生理前にイライラするのは当たり前と思いがちですが、これは自律神経のバランスが乱れているサイン。怖い夢を頻繁にみたり、集中力が続かなくなったりすることも多く、なかには自律神経の乱れによって心のバランスを崩してしまう人もいます。
自律神経を緩めて整える方法8選
ストレス社会の現代では、なにかと交感神経が優位になりがち。本来リラックスするべきタイミングでもなかなか副交感神経に切り替わらず、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
ここでは、自律神経を緩めて整えるために心がけたい8つの習慣を紹介します。
食事のメニューに気を付ける
ごはんやパン、麺類などは糖質が多く、血糖値を抑えようとする副交感神経に負担がかかります。血糖値の急上昇を防ぐため、糖質は摂りすぎないこと。食べるときはよく噛んで、乳製品や魚、大豆、生野菜、果物などを意識して摂りましょう。
眠れなくても昼夜逆転NG!朝日を浴びて体内時計をリセット
朝日には体内時計をリセットし、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌をうながす働きがあります。自律神経をコントロールする体内時計はほうっておくとズレてしまいがち。朝起きたら必ずカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけると、自律神経は自然と整います。
寝る前にはスマホを見ない
スマホのブルーライトは身体を覚醒させてしまうため、睡眠の質が下がる原因に。SNSなどで多くの情報に触れることで心が乱れ、自律神経のバランスが崩れてしまう恐れもあります。翌朝に疲れを持ち越さないためにも、寝る前の1時間はスマホを見ないようにしましょう。
手軽なストレッチで筋肉をほぐす
背中や首の筋肉をほぐすと副交感神経が優位になり、緊張がとけてリラックスできます。寝る前に行うと睡眠の質も良くなり、自律神経のバランスも整いやすくなりますよ。四つん這いになって背中を伸ばすストレッチや、片手で頭を下に引き寄せる首のストレッチなどは誰でも簡単にでき、気分をすっきりさせたいときにも役立ちます。
ぬるめのお風呂に浸かり、副交感神経を優位に
38~40℃程度のぬるめのお湯に浸かると、身体が適度に温まって熟睡できます。首までつかるなら15分、半身浴なら30分程度がおすすめです。入ってから30分~2時間ほどで眠気が出てくるため、眠りが浅い人はぜひ試してみてくださいね。
「香り」を生活の中に活かしてリラックス
生活の中に香りを取り入れるのもおすすめです。自分がリラックスできる香りを選ぶことが大切ですが、一般的にラベンダーやカモミールはリラックス効果が高いとされています。その他にも、ベルガモットやサンダルウッドなどの香りも効果的です。
音楽や読書でリラックス
ヒーリングミュージックや波・鳥の鳴き声などが入った音楽はリラックスをうながし、自律神経を整える効果があります。また、集中して本を読むと体の力が自然に抜け、リラックスモードに入りやすくなります。心が疲れているときは、なるべくハッピーエンドの本を選びましょう。
ツボ押しマッサージ
顔や頭、耳には自律神経を整えるツボがたくさん!指先で軽くトントンするだけでも、血流が良くなって自律神経が刺激されます。細かい場所は意識せず、気持ちいいと感じる場所を押したり引っ張ったりすることで、自然とリラックス効果が生まれますよ。
おわりに
自律神経は身体機能を正常に保つために欠かせない神経です。通常、交感神経と副交感神経は互いにバランスを保っていますが、ストレスや不規則な生活などによって切り替えが上手くいかなくなると、心身の不調を引き起こします。
自律神経が乱れているなと感じたときは、ぜひ毎日の生活習慣を見直してみて!自律神経を整えて、毎日を気持ちよく過ごしましょう。
監修:加藤 大也
糖尿病専門医/総合内科専門医/甲状腺専門医/藤田医科大学医学部客員講師/医学博士
たいや内科クリニック 院長。糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー。
https://taiya-naika.com