Jun 14, 2025
【医師監修】便秘対策は朝ごはんから!習慣化のコツとおすすめ腸活食材、お手軽メニューをご紹介

「最近お通じが悪い」「便秘のせいでお腹が張る」など、お腹の不調に悩んでいませんか?便秘が続くと、頭痛やめまい、肌荒れなどさまざまな不調が起こりやすくなるため、早めに対処したいですよね。
快便の習慣をつけるには、朝の過ごし方がとても大切です。この記事では、まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニックの船越 真木子院長の監修のもと、朝ごはんの大切さや習慣化のポイント、腸活におすすめの食材を紹介します。ぜひ今日から実践して、毎日スムーズなお通じを目指しましょう。
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健康のカギは朝にあり!朝ごはんを食べるメリットって?
家事や身支度、家族のお世話など、なにかと忙しい朝の時間。食べる時間がなかったり、食欲がなかったりとつい抜いてしまいがちな朝ごはんですが、健康維持のためには1日3食しっかり食べることをおすすめします。ここでは、朝ごはんを食べる主なメリットを解説します。
腸の活動が活発になりスムーズな排便が促される
朝ごはんを摂ると睡眠中に休んでいた腸が刺激され、ぜん動運動が活発になります。その結果、便がしっかりと直腸に送られ、スムーズな排便につながります。反対に、朝ごはんを抜くと腸全体の動きが鈍くなり、便意が起きにくくなります。この状態が続くと便意を起こす自律神経の働きも鈍くなり、慢性的な便秘を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
代謝が高まり健康的な体重を維持しやすくなる
朝ごはんを食べると体温が上がり、基礎代謝がアップ。脂肪燃焼が活性化され、痩せやすく太りにくい体質作りに役立ちます。特に糖質(炭水化物)とたんぱく質をしっかり摂ると午前中の空腹感を感じにくくなり、仕事や勉強に集中しやすくなります。
たんぱく質は1回あたりの食事で摂取してから筋肉合成などに有効に使われる量には上限があるため、3食と補食でこまめに摂取する方が効果的です。運動効率を高めるためにも、常に栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
朝ごはんに取り入れたい便秘解消食材3選
便秘解消を期待するなら、整腸作用のある食材を積極的に取り入れるのがおすすめです。食物繊維やオリゴ糖などが豊富に含まれている食材は、スムーズなお通じをサポートしてくれます。ここでは、便秘解消に効果が期待できる栄養素と代表的な食材を紹介します。
食物繊維豊富な食材
食物繊維豊富な食材は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれます。さらに、食物繊維には水分を吸収して膨らむ特性があり、便の量を増やしたり、便を柔らかくして排出しやすくしたりといった効果も期待できます。水溶性食物繊維・不溶性食物繊維どちらもバランスよく摂取して、良いお通じを目指しましょう。
・水溶性食物繊維が多い食材:オクラ、納豆、海藻類、りんご、バナナなど
・不溶性食物繊維が多い食材:ごぼう、さつまいも、キャベツ、豆類、小麦ふすま、小麦ブランシリアル、オートミールなど
発酵食品
発酵食品は腸内の善玉菌を増やし、腸の健康をサポートしてくれます。腸内環境が整うと、便秘の解消をはじめ、免疫力アップや美肌、快眠などさまざまな効果が期待できます。特にヨーグルトはビフィズス菌などの善玉菌を豊富に含む食材なので、積極的に摂取しましょう。
・主な発酵食品:ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、漬物など
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オリゴ糖を含む食材
オリゴ糖は腸内の善玉菌の栄養源で、ビタミンやミネラルを多く含んでいます。また、オリゴ糖に含まれる乳酸や酢酸は腸のぜん動運動を促進し、便通を改善する効果があるといわれています。シロップや粉末タイプもあり、砂糖の代わりに使いたい方にもおすすめですよ。
・オリゴ糖が多い食材:きなこ、ごぼう、玉ねぎ、はちみつ、バナナ、大豆など
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忙しい朝でも食べやすい!おすすめ腸活メニュー
腸に良い食材だけ知っていても、どうやって組み合わせるべきか悩んでしまう人も多いはず。特に今まで朝ごはんを食べる習慣がなかった人は、メニューを考えるだけで疲れてしまうことも。
ここでは、忙しい朝にぴったりな快便につながる朝ごはんメニューを紹介します。その日の気分や好みに合わせて、食べやすいものを選んでくださいね。また、タンパク質を補うためには、卵や納豆、ハムなどを添えることも忘れないようにしましょう。
ヨーグルトとフルーツのボウル
ビタミンやミネラル豊富で、見た目にも楽しい朝食メニュー。善玉菌を増やすヨーグルトと食物繊維たっぷりのフルーツを一緒に摂ることで、更なる快便効果が期待できます。トッピングにはバナナやキウイ、いちごなどをチョイス。糖類を摂りすぎないよう、砂糖不使用のプレーンヨーグルトを選ぶのがおすすめです。お好みではちみつやオリゴ糖も加えましょう。
オートミールとナッツ
食物繊維が豊富なオートミールとナッツを組み合わせた腸活メニュー。ナッツには良質な脂質のほか、マグネシウムやカルシウム、鉄分などの栄養素もたっぷり含まれており、オートミールとの相性も抜群です。アーモンドやくるみ、カシューナッツなど、いろいろな種類を日替わりで取り入れると、毎日の朝ごはんが楽しみになりますよ。
全粒粉トーストとアボカド
全粒粉トーストとアボカドは、腸活メニューの中でも栄養価が高い組み合わせ。全粒粉パンは血糖値の上昇がゆるやかで、腹持ちが良いのが特徴です。アボカドはスライスしたり、クリーム状にして塗ったりと色々なアレンジができるので、お好みのレシピを探してみましょう。
オールブランサラダ
食物繊維豊富なオールブランをサラダにトッピングした一品。オールブランは小麦の外皮から作られたシリアルで、少量でも便秘解消効果が期待できます。そのまま食べてもおいしいですが、ごま油や鶏がらスープを入れておかず代わりにするのもおすすめです。
野菜や果物のスムージー
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な飲み物といえば、野菜や果物を使ったスムージー。特にバナナ、ほうれん草、キウイは腸活におすすめの食材で、栄養バランスを整えるのにも役立ちます。ミキサーを短めにかけると食べごたえがあり、満腹感も感じやすくなりますよ。
理想的な朝ごはんの時間帯と習慣化のコツ
朝ごはんを食べる習慣をつけるには、忙しい朝でも続けやすいような工夫が大切です。朝ごはんにぴったりなタイミングと習慣化のコツを押さえて、無理なく便秘解消を目指しましょう。
朝ごはんは起きてから1~2時間以内に食べよう
朝ごはんは、起床後1~2時間以内に食べるのがベスト。起きてから時間を空けずに食事をすると代謝が高まるほか、自律神経が整って腸の動きが良くなります。排便リズムを整えるため、食後は便意がなくてもトイレに行く習慣をつけましょう。午前中の活動に必要なエネルギーをしっかり補給するためにも、朝食は起床後なるべく早く食べるのがおすすめです。
前夜から準備すると調理時間を短縮できる
朝の時間を有効活用するには、前夜の準備がカギ。果物や野菜をあらかじめ切っておいたり、作り置きして冷蔵庫に入れておいたりすれば、スムーズに朝食を用意できます。メニューも前もって決めておくと当日のバタバタを避けられるので、ぜひ実践してみてくださいね。
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シンプルなレシピが継続の秘訣
時間や気力がないときでも、シンプルなメニューなら無理なく続けられます。例えば、ヨーグルトにフルーツやナッツを混ぜたり、オールブランに牛乳をかけて温めるなど、数分で作れる簡単なレシピが理想です。より手軽に用意したいときは、ゆで卵やカッテージチーズ、ハムなどそのまま食べられる食材を活用するのもおすすめですよ。
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まとめ
便秘の予防や改善には、毎朝しっかり食事を摂ることが大切です。腸内環境を整えるためにも、食物繊維や発酵食品、オリゴ糖など、腸に良い食材を積極的に取り入れると良いでしょう。
腸内環境や消化機能によっては、挙げたレシピで余計にお腹が張って苦しくなる場合も。そのような場合はSIBO(小腸内細菌異常増殖)などの腸の病気も疑われますので、いったん摂取を中止して消化器内科でご相談ください。
また、夜寝る前の準備や簡単なレシピを選ぶことで、忙しい朝でも無理なく続けやすくなります。ぜひ朝ごはんを食べる習慣を身につけて、便秘とは無縁の毎日を目指してみてはいかがでしょうか。

船越 真木子
総合内科専門医/消化器病専門医/消化器内視鏡専門医/まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック(京都)院長
がん罹患数の第一位である大腸がん、第三位である胃がんを早期発見するため、苦痛の少ない高精度な内視鏡検査を提供している。ミッションは『人生を最高に楽しめる体と心を支える』。

sachikawa
wabライター・アシスタントディレクター。自分らしく暮らしたい大人女子に役立つ情報をお届けします♪