Jan 01, 2026
【1月におすすめの本】新しい年の一歩を後押しする作品|この時期ならではの読書法も紹介
新しい年が始まる1月は、気持ちを新たに1年の目標をゆっくり考えたくなる季節です。寒さでおうち時間が増える1月こそ、物語の世界に浸って心をリセットしてみてはいかがでしょうか。本のページをめくれば、前向きな気持ちを思い出させてくれる言葉や、そっと寄り添ってくれる物語に出会えるはずです。
今回は知的好奇心を刺激するミステリーから、心に寄り添う成長物語、親子で楽しめる絵本まで1月にぴったりの作品を集めました。読書の時間が新しい1年を心地よく始めるきっかけになりますように。
MOKUJI
【12月におすすめの本】一年を締めくくる心に残る作品とこの時期ならではの楽しみ方を紹介
1月におすすめの本
「謎々 将棋・囲碁」新井素子 他

1月5日は「囲碁の日」です。「い(1)ご(5)」の語呂合わせから、日本棋院によって制定されました。年の始まりに、囲碁にまつわる物語で少し頭を刺激しながら、読書でスイッチを入れてみてはいかがでしょうか。
囲碁の日にぴったりなのが、将棋と囲碁をモチーフにした短編集『謎々 将棋・囲碁』です。6人の作家が紡ぐ物語はどれも独創的で、将棋や囲碁に詳しくなくても自然と物語に引き込まれます。読み終えたあとには「なるほど!」と膝を打ちたくなる仕掛けが満載。ミステリー・SF・人間ドラマなど様々なジャンルが詰め込まれた一冊です。
『謎々 将棋・囲碁』は短編なので隙間時間の読書にもぴったり。年始の慌ただしさが少し落ち着く頃、あたたかい飲み物を片手にページをめくれば、ルールの奥にある「考える楽しさ」を思い出させてくれます。新年から新たなジャンルを開拓してみたいという方におすすめです。
「ぼくの色、見つけた!」志津 栄子・末山 りん

1月6日は「カラーの日」です。「い(1)ろ(6)」の語呂合わせから制定された記念日で、色がもつ魅力や多様性に目を向けるきっかけとして親しまれています。そんな日にぴったりなのが『ぼくの色、見つけた!』です。
主人公の信太朗は、トマトの熟し具合が分からなかったり、肉が焼けたサインに気づけなかったりといった出来事を通して、自身が色覚障がいであることを知ります。しかし周囲に理解されず、クラスメイトから絵を笑われたり、母親の無邪気な「かわいそう」という言葉に傷ついたりするうちに、自信を失ってしまいます。
転機となるのは、学年が上がり新しい担任と出会ったこと。信太朗の気持ちに寄り添い、彼の「見え方」を尊重してくれる先生の存在が、ゆっくりと信太朗の心の扉を開いてくれます……
『ぼくの色、見つけた!』は「見えない障がい」の難しさや葛藤を丁寧に描いた物語です。信太朗の気づきが自分自身にも重なり、「自分のままでいい」とやさしく背中を押してくれます。新しい一年を前向きに始めたい人はぜひ手に取ってみてくださいね。
「君のクイズ」小川哲

1月9日は「クイズの日」。とんちで知られる室町時代の僧侶・一休さんにちなんで制定された記念日で、「ひらめき」や「発想の転換」を楽しむ日として親しまれています。そんな1月にこそおすすめしたいのが、小川哲の『君のクイズ』。クイズを題材にしながら、人が答えを導き出す瞬間の秘密に迫る、興奮必至のエンターテインメント作品です。
物語は生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』決勝から始まります。クイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手である本庄絆の「問題文が一文字も読まれていないのに正解する」というあり得ない行動を目の当たりにし、違和感を覚えます。
ヤラセなのか、不正なのか、それとも偶然なのか。真相を突き止めるため、三島は決勝戦を1問ずつ振り返りながら、絆の生い立ちや周囲の証言をたどっていきます……
クイズは「早押し」と「知識」だけの勝負と思いきや、作問者のクセを読む、問題文のポイントを見極める、相手の動きを予測するなど、まるで高度なスポーツのような奥行きがあります。『君のクイズ』を読むと「知ること」への興味がスッと広がり、普段の情報の捉え方が少し変わるはず。新年から知的好奇心いっぱいでスタートしたい人にぴったりです。
「その犬の名を誰も知らない」嘉悦 洋

1月14日は「愛と希望と勇気の日」です。南極に置き去りにされながら奇跡的に生還したタロとジロの物語にちなみ、困難に立ち向かう勇気を称えて制定されました。この記念日に読みたいのが、タロとジロの影で今まで語られなかったもう一つの南極物語に迫るノンフィクション『その犬の名を誰も知らない』です。
物語は1968年、南極・昭和基地近くで一頭のカラフト犬の遺体が見つかったという事実から始まります。しかしこの犬の存在は半世紀以上公にされず、今も多くが謎に包まれたままです。著者は日本の第一次南極越冬隊で犬係を務めタロとジロとの再会を果たした隊員・北村泰一氏に取材し、「第三の犬」の正体を追います。
これまで生き残った犬はタロとジロの2頭だけとされていましたが、実はもう一頭、過酷な南極で必死に生き抜いた犬がいた可能性が語られます。任務を共にしたカラフト犬たちは、それぞれに名前があり、隊員と強い絆を結びながら南極観測を支えていました。知られざる犬たちの姿や犠牲、観測隊の苦闘が丁寧に描かれ、読み進めるほど胸が締めつけられます。
『その犬の名を誰も知らない』を読むと、タロとジロだけでなく、南極で生きたすべての犬たちに思いをはせ、彼らが支えた人間の夢の重さが深く心に残ります。静かに胸が熱くなる一冊です。
「生きるぼくら」原田マハ

1月17日は「おむすびの日」。1995年の阪神淡路大震災で、被災地に届けられたあたたかい炊き出しのおむすびが、多くの人を支えたことから制定されました。食がつないだ思いやりや絆を見つめるこの日にこそ、原田マハの『生きるぼくら』をおすすめします。
主人公は、いじめがきっかけで引きこもり生活を送る青年・麻生人生。ある日、ひとりで暮らす祖母が倒れたという知らせが届き、人生は勇気を振り絞って部屋を出ます。久しぶりに会った祖母は、人生に「一緒に米を作らないか」と提案。
汗をかき、土に触れ、季節の移ろいを肌で感じながら作物を育てる時間は、人生の中で抱えてきた痛みや迷いを、少しずつほどいてくれます。やがて収穫を迎え、炊きたての白米を口にした瞬間、人生は食べることの喜び、誰かと分かち合う幸せを心の底から実感し……
『生きるぼくら』は、お米がもつ力と、人と人とのつながりの尊さを、まっすぐに描いた感動作。読み進めるうちに、心の奥がそっとあたたまり、日々何気なく口にしているご飯のありがたさや、食卓を囲む時間の尊さが静かに胸に沁みてきます。新しい1年を、やさしい気持ちで歩き出したい人におすすめです。
「きょうのおやつは」わたなべ ちなつ

1月25日は「ホットケーキの日」。寒い季節に、ふわっと湯気の立つホットケーキで体も心もあたたまってほしいという想いから制定された日です。そんな日にぴったりなのが、しかけ絵本『きょうのおやつは』。鏡のような紙を使った「かがみのえほん」シリーズの一冊で、ページを開いた瞬間、まるでキッチンの世界に入り込んだような臨場感を味わえます。
『きょうのおやつは』は、左右のページが互いに映り込み、立体的なシーンが出現するユニークな仕掛けが魅力です。甘い香りが漂ってきそうなほどリアルな描写で、「ほっ!」とひっくり返す瞬間は思わず息をのむほど。鏡の効果でページの奥が奥へと続くように見え、「えっ、どうなってるの?」と大人も子どもも夢中になる仕掛けです。
親子で『きょうのおやつは』を読むと、わくわくしながらおやつを作る時間を共有できるはず。読み終えたら、実際にホットケーキを焼きたくなること間違いなしです。
1月におすすめの読書方法3選
新年を迎えて心が浮き立つこの時期は、気づかないうちに身も心も疲れてしまっている、なんてことも多いですよね。そんなときこそ、本を読んで心を落ち着かせてみませんか。ここでは1月におすすめの読書法を3つご紹介します。
初詣の帰り道にカフェでひと息つきながら読書

新年のはじまりを告げる初詣。境内のにぎわいや、冷たい空気の中を歩く時間は、それだけで少し特別な体験です。参拝を終えたあとは、その余韻を抱えたまま、近くのカフェに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
あたたかい甘酒やコーヒーを手に本を開くと、さっきまでの喧騒がゆっくりと遠ざかっていきます。新年最初の読書は、気負わず、短編やエッセイがおすすめ。ほっと一息ついてページをめくれば、新しい一年に向けて気持ちが整うことでしょう。
【管理栄養士監修】甘酒は「飲む点滴」?甘酒の効果を徹底解説!ホームベーカリーでの作り方も!
書き初めの墨の香り漂う中で読書

お正月といえば書き初め。背筋を伸ばして筆を持ち、白い紙に向かう時間は、自然と気持ちが引き締まります。書き終えたあとの墨の残り香は、どこか懐かしく、静かな余韻を感じさせてくれるものです。
そのまま机やこたつに移動して本を開くと、不思議と心が落ち着き、文字を追うことに集中できます。言葉一つひとつがいつもより深く胸に残るように感じられるでしょう。
書き初めで整えた心の延長線上にある読書時間は、年のはじめに静かな充実感をもたらしてくれるはずです。
大人が習字を始めるメリットって?書道の魅力と楽しみ方、必要なものを知っておこう
新しい手帳を手元に置いて読書

新年を迎えると、手帳やノートを新調したくなりますよね。まだ何も書かれていないページには、これから始まる一年の余白が詰まっているようで期待に胸が膨らみます。
新しい手帳やノートにはぜひ、読書中に心に残った言葉や、ふと浮かんだ考えを気軽に書き留めてみてください。読みながらメモを取ることで、インプットされ、新たなアイデアに出会うことができるかもしれません。
読書記録は継続することが大事。かしこまらず、線を引いたり、短い一言を書くだけでも十分です。そうして綴った一冊は、年末に見返したとき、きっと自分の心の成長記録になっていることでしょう。
おわりに

新しい年のはじまりは、少し立ち止まって自分の気持ちと向き合える貴重な時間です。本を読む場所や過ごし方をほんの少し工夫するだけで、いつもの読書が特別なひとときに変わります。初詣の帰り道、墨の香りが残る部屋、まっさらな手帳のそば――どれも1月だからこそ味わえる読書時間。
忙しい日々の中でも、気負わずに自分のペースで本を読んでみてください。これから出会う物語や言葉が、新たに始まる一年をそっと支えてくれるはずです。とっておきの読書時間でリフレッシュして、新年の良いスタートを切りましょう。
【1月におすすめの本】寒い冬にぴったり!1月だから読みたい本をおすすめの読書法と一緒に紹介

あまち
2022年よりフリーランスとして活動中のWebライター。現在は2児の母として育児と仕事を両立に奮闘中。趣味は家族とのレジャーや、カフェで過ごすひととき。





