Sep 15, 2025
【管理栄養士監修】オリーブオイルを飲む効果|美容・健康へのメリットとおすすめの飲み方・注意点

近年、美容や健康に関心の高い人たちの間で注目を集めているのは「オリーブオイルを飲む」習慣です。自然の恵みを体に取り入れることで、内側から美しさと元気をサポートしてくれると話題になっています。
この記事では、千葉柏駅前 胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック・健診プラザの管理栄養士、西島理衣さん監修のもと、オリーブオイルを飲む効果や選び方、注意点を紹介します。毎日の暮らしにオリーブオイルを取り入れて、内側からの健康習慣をはじめてみませんか?
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オリーブオイルとは
オリーブオイルとはオリーブの果実をそのまま搾って作られる植物油です。多くの植物油が種子や胚芽から搾られ精製してから食用にされるのに対し、オリーブオイルは状態が良いものであれば精製しなくてもそのまま食用として使うことができます。精製しない分、風味や栄養の面でより良質なオイルを楽しめるというメリットも。ここでは、オリーブオイルの種類や含まれる栄養素について紹介します。
オリーブオイルの種類
オリーブオイルには搾り方や精製度の違いでさまざまな種類があります。ここでは、国際オリーブオイル協会(IOC)の基準にもとづいた9種類のオリーブオイルを表にまとめました。
オリーブオイルの種類 | 酸度 | 特徴 |
エキストラバージンオリーブオイル | 0.8%以下 | 香り・風味が最も豊かで最高品質。非加熱で食用可。 |
ファインバージンオリーブオイル | 2%以下 | クセが少なく風味もあり、ドレッシングなどに◎。 |
オーディナリーバージンオリーブオイル | 3.3%以下 | 複数の欠点があったと分類されるもの。条件により小売可。 |
ランパンテバージンオリーブオイル | 3.3%以下 | 数多くの欠点があったと分類されるもの。そのまま食用不可。精製や技術用に使用される。 |
リファインドオリーブオイル | 0.3%以下 | ランパンテバージンオリーブオイルを精製したもの。炒め物などに便利。 |
リファインドオリーブポマースオイル | 0.3%以下 | 溶剤を使いバージンオイルの絞りかすから抽出したもの |
オリーブオイル(ブレンド) | 1%以下 | 精製オリーブオイルとバージンオイルを混合した一般的な調理油。 |
オリーブポマスオイル | 1%以下 | リファインドオリーブポマースオイルとバージンオイルを混合したもの。 |
クルードポマース(粗搾りかす)オイル | 0.3%以下 | 搾りかすから抽出したもの。精製・工業用として使用される。 |
参考:Designations and definitions of Olive Oils|Olive WorldOlive Oil
オリーブオイルを選ぶときは、香りや風味だけでなく「酸度」にも注目してみましょう。酸度とはオリーブオイルの鮮度を示した指標です。酸度の数値が低いほど新鮮で質が高い証とされています。ぜひオリーブオイルの酸度もチェックして、自分にぴったりの1本を見つけてくださいね。
オリーブオイルに含まれる栄養素
オリーブオイルには、健康や美容に役立つ栄養素が豊富に含まれています。なかでも注目したいのは、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸です。血中のコレステロール値を整える働きが期待されており、生活習慣病の予防にも効果的とされています。
また抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEも含まれており、細胞の老化を防ぎ、美肌やアンチエイジングにもうれしい効果が期待できます。精製されていないオイルほど栄養価が高いこともポイントです。【管理栄養士監修】アサイーの効果とは?美容と健康にうれしいスーパーフードの魅力
オリーブオイルを飲むことによる効能
オリーブオイルには、健康や美容に役立つ栄養素がたっぷり含まれていることは先ほどご紹介しました。ここではそうした栄養素を“飲んで”取り入れることで、どのようなうれしい効果が得られるのかを、より詳しく紹介します。毎日の習慣に飲むオリーブオイルを取り入れるだけで、体の内側から健康と美をサポートしてくれます。
悪玉コレステロールを下げる
オリーブオイルの代表成分であるオレイン酸には、血中の悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HDL)を保つ働きがあるとする報告も。血管内にコブを作り動脈硬化を進める原因となる悪玉コレステロールを減らすことで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを遠ざけてくれます。また、ビタミンEやポリフェノールといった抗酸化物質が悪玉コレステロールの酸化を防ぐため、コレステロール管理を内側からサポートしてくれることも魅力です。【医師監修】アーモンドミルクの効果って?特徴・よくある質問を徹底解説
抗酸化作用でアンチエイジング
オリーブオイルを飲むと抗酸化作用によるアンチエイジングも期待できます。紫外線やストレスなどが原因で体内に発生する活性酸素は、シミやシワといった老化現象の大きな原因。オリーブオイルに豊富に含まれるオレウロペインやヒドロキシチロソールといったポリフェノール類は、この活性酸素を抑える働きがあり、肌細胞の酸化ダメージを防いでくれます。オリーブオイルを飲むことで、体の内側からエイジングケアが期待できます。年齢を重ねても若々しさをキープしたい方にぴったりの習慣です。【管理栄養士監修】オクラの健康効果を徹底解説!栄養を逃さない食べ方も紹介
腸内環境の改善
便通に悩んでいる方にとっても、オリーブオイルは頼れる存在です。オリーブオイルは腸を潤滑にし、便通をサポートする可能性があるとされています。腸内環境が整うことで老廃物の排出が促されるため、肌荒れや吹き出物といった肌トラブルの予防にも効果的です。1日15〜30mlのオリーブオイルを目安に、無理のない範囲で毎日の食事に取り入れてみましょう。【医師監修】便秘対策は朝ごはんから!習慣化のコツとおすすめ腸活食材、お手軽メニューをご紹介
シミやそばかすの予防
オリーブオイルには、肌の健康を保つ栄養素も含まれており、美容面でも注目されています。オリーブオイルを内側から取り入れることで、外からのスキンケアだけでは届かない部分にも働きかけてくれますよ。【美容皮膚科医監修】ビタミンCを摂ると日焼けがしやすくなるって本当?関係性を詳しく解説
オリーブオイルのおすすめの飲み方
オリーブオイルは1日に大さじ1〜2杯程度(約15〜30ml)飲むことが理想的です。体に良いからといって摂りすぎると、カロリーオーバーや胸焼け、胃もたれの原因になることもあります。そのまま飲むことが苦手な方は、炭酸水やトマトジュースに加えて飲むと、風味がやわらぎ取り入れやすくなりますよ。腸の働きが活発になる朝の時間帯に飲むと便通が促されやすいため、すっきりとした1日をスタートできます。
また無理に飲むのではなく、食事に取り入れる方法もおすすめです。サラダやスープ、パンにひとかけするだけで自然に摂取でき、習慣化しやすくなります。最近ではオリーブオイルを納豆や味噌汁、ヨーグルトに加えるアレンジも人気です。自分に合った方法を見つけることで、無理なく続けましょう。納豆の簡単ちょい足しアイデア&注意点まとめ|納豆がもっと好きになる!
オリーブオイルを飲むときの注意点
オリーブオイルは健康や美容にうれしい効果が期待できる一方で、摂り方を間違えると体に負担をかけてしまうこともあります。オリーブオイルを飲む際は下記のポイントを意識しておきましょう。
●摂取量は1日大さじ1〜2杯が目安:摂りすぎるとカロリーオーバーになり、体重増加の原因になることもあります。
●一度に大量に飲まない:胃腸に負担がかかり腹痛や下痢などの不調を引き起こすことがあります。
●少量からスタートし体調を確認:体質によって合う・合わないがあるため、少量から無理のない範囲で試しましょう。
●空腹時よりも食事と一緒に摂取がおすすめ:単独で摂るよりも、料理に使って摂取する方が続けやすくなります。
オリーブオイルは継続的に飲むことで効果を実感しやすくなります。無理なく、日々の食事の一部として取り入れることがポイントです。
飲むオリーブオイルの選び方
せっかく毎日取り入れるなら、体にやさしく、安心して続けられる高品質なオリーブオイルを選びたいところです。なかでも「エキストラバージンオリーブオイル」と表示されたものは風味や栄養素が損なわれていないため、そのまま飲むのにもっとも適しています。ただし、ラベルだけで判断せず、下記のようなポイントもあわせて確認しましょう。
●遮光瓶や缶に入っているか:光に弱いオリーブオイルは、紫外線によって酸化が進みやすくなります。色付きの瓶や缶など、遮光性の高い容器が理想です。
●価格が極端に安すぎないか:あまりに安価なオイルは精製度が低かったり、品質が劣ったりする可能性も。適正な価格帯のものを選ぶことが安心につながります。
●製造者の姿勢が明確か:オリーブ栽培や搾油工程にこだわりをもつメーカーは、製品にもその思いが反映されています。公式サイトなどで情報を確認することでより自分に合ったオリーブオイルを見つけることができるでしょう。
この他ラベルにきちんとした日本語表記があるのか、保存方法や賞味期限の記載が明確かも重要なポイント。安心で高品質なオリーブオイルを見極めましょう。
おわりに
この記事では、オリーブオイルを飲む効果や選び方などを紹介しました。毎日大さじ一杯のオリーブオイルで、腸内環境や美肌ケアをサポートしてくれます。自分に合ったオリーブオイルを選び、内側からきれいを叶えてみませんか?料理家たちも注目!ヘルシーと美味しさを同時に叶えちゃう調味料「発酵旨味オイル」調味料マカセvol.33
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西島 理衣
管理栄養士
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としている。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いしている。

あまち
2022年よりフリーランスとして活動中のWebライター。現在は2児の母として育児と仕事を両立に奮闘中。趣味は家族とのレジャーや、カフェで過ごすひととき。