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Feb 07, 2025

【管理栄養士監修】体の不調や疲労感をデトックスで解消しよう!注意点やおすすめの食材など紹介

発酵玄米ごはん

仕事のストレスや生活習慣の乱れから、体の不調・疲労感を感じる人も多いことでしょう。そこで毎日の食生活を見直して、体内から毒素や老廃物を排出させる「デトックス」を取り入れてみてはいかがですか。今回は、「あさひの森内科消化器クリニック」管理栄養士の若山 あみさん監修の元、デトックスの基本的な考え方と効果的な食材、デトックスする際の注意点などをまとめてご紹介します。

デトックスとは

「デトックス(detox)」は、英語の「detoxification(ディトクスィフィケイション)」の略語で「de(否定)」と「toxicus(毒の)」に由来した言葉です。私たちの体内に溜まった毒素(有害物質)や体内で不要となった老廃物を排出させることを意味し、心身ともにリフレッシュする方法のことを指します。おもに食事療法や運動療法、サプリメントの摂取、排便、入浴やサウナ、アロマテラピーなどデトックスには様々な方法があります。デトックスは、海外で健康を促進する方法の1つとして提案されていて、日本でも主に民間療法の場で話題に上がっています。

毒素とは

ACのイラスト 毒素イメージ

 

私たちの体内に溜まる毒素には「体外から運ばれてくるもの」と「体内で発生するもの」があります。体外から運ばれてくる毒素とは、呼吸や食事によるもの。大型の魚に含まれた有機水銀、古い水道管を通る水に含まれるニッケル、缶詰や鍋のアルミニウム、タバコの煙、排気ガスなどに含まれる化学物質や有害ミネラルが該当します。また加工食品の添加物や、食材に残留している農薬や除草剤、カビ毒なども挙げられます。

 

一方、体内で発生する毒素とは、腸内で腸内細菌の腐敗によって発生するアンモニアや硫化水素などの有害ガス、発がん性物質や、各臓器の代謝の過程で発生する活性酸素、毒性のある代謝物などが該当します。

朝起きて不調を感じる女性のイラスト

本来、これらの毒素は肝臓や腎臓、消化器系などの内臓によって、体の抗酸化機能や解毒機能が働くことで無毒化されます。しかしそれらの機能が弱ってしまうと、イライラや疲労感、便秘や貧血、免疫低下など体に様々な悪影響を及ぼします。

私たちの体に溜まる毒素を食べ物や生活習慣の改善により可能な限り減らすことはできますが、完全にゼロにすることは難しいといわれています。普段から毒素を溜めないよう、デトックスを意識した生活を送ることが大切です。

デトックスに効果的な食材~代謝UP編

身近なデトックスの1つとして、普段の食生活を見直す方法が挙げられます。それではどのような食材がデトックスに効果的なのでしょうか。まずは体の代謝をアップすることで、デトックスに効果的な食材を3つ紹介します。

玄米

お茶碗に盛られた玄米

 

玄米には、炭水化物をエネルギーに変える際に必要な「ビタミンB1」が白米の約8倍、体内での様々な酵素を活性化し生命維持に必要な代謝に関わる「マグネシウム」が白米の約7倍とかなり多く含まれています。炭水化物の量は白米と同じとはいえ、より代謝を促してくれる玄米を積極的に食事に摂り入れると良いでしょう。また他にも玄米には「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」といったデトックス効果のある栄養素が豊富に含まれています。

鮭の切り身 美味しそう

 

鮭に含まれている栄養素「ビタミンB2」「ビタミン12」は、脂質の代謝を促してくれます。「ビタミンB2」は脂質の代謝をサポートし、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。そして「ビタミンB12」は炭水化物・脂質・タンパク質を代謝し、エネルギーに変換する役割があります。また鮭はオメガ3系脂肪酸も含んでいるため、内臓脂肪燃焼効果や、腸の善玉菌を増やして腸内環境を整えるデトックス効果が期待できます。

ブロッコリー

お皿に盛られた茹でたブロッコリー

 

ブロッコリーには、デトックスに効果的な栄養素が豊富に含まれています。「ビタミンC」は脂肪の代謝を促進し、「ビタミンB群」は炭水化物や脂質からのエネルギー代謝をサポートします。またブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という辛み成分は、肝臓の解毒機能を活性化し、体内の毒素を排出してくれる効果が期待できます。また「食物繊維」も多く含んでおり、腸内環境を整えてくれるので、便秘体質の改善にもおすすめの食材です。

デトックスに効果的な食材~塩分排出編

体内から塩分(ナトリウム)を排出することも、デトックスに効果的です。塩分を体外に排出しやすくする、「カリウム」を多く含む食材を2つ紹介します。

海藻類

海藻やわかめのサラダ

 

昆布やひじきなどの海藻類にも、「カリウム」が多く含まれています。その一方で「カリウム」は水溶性のミネラルで、煮たり茹でたりすると水に溶け出しやすい性質があります。乾燥させた海藻も「カリウム」を多く含んではいるものの、水で戻す際に「カリウム」が溶け出てしまうため、戻す際はその水ごとスープなどにして調理に使用すると良いでしょう。効率よく「カリウム」を摂取するには、サラダなど生の状態で食べることもおすすめです。

バナナ

白背景 バナナの画像

 

バナナにも「カリウム」が豊富に含まれているため、体内の塩分を排出し、むくみを解消してくれます。さらに利尿作用をもたらすといわれる「ビタミンB群」も栄養素に含まれており、より相乗効果が期待できます。また、「食物繊維」も多く含まれているため、お腹の調子を整えて、便秘の解消にも役立ちます。

デトックスに効果的な食材~便通改善編

「食物繊維」は、腸内環境を整えて、体の毒素や老廃物を排出する栄養素です。「食物繊維」や発酵食品を食べて便通を改善することもデトックスに繋がります。「食物繊維」を多く含むおすすめの食材を3つ紹介します。

ごぼう

ごぼう 白背景 根菜

 

ごぼうは「食物繊維」の代名詞といってもいい程、多く「食物繊維」を含む野菜です。ごぼうには、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方が含まれています。「水溶性食物繊維」とは、糖質の吸収を緩やかにする働きがあり、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。そして特に多く含まれる「不溶性食物繊維」は、腸の働きを活発にして排便を促進するため、便秘の解消に役立ちます。きんぴらごぼうなどに調理して食べたり、ごぼう茶にして飲んだりと積極的に摂りたい食材です。


  ごぼう茶 をチェック  

 

納豆

 

納豆は、大豆から作られた発酵食品です。原材料である大豆は「食物繊維」が豊富で、特にいり大豆やきなこなどに多く含まれています。大豆製品の中でも毎日摂取しやすい食品は納豆ではないでしょうか。「食物繊維」以外にも「ナットウキナーゼ」という血液をサラサラにする働きを持つ酵素や「ビタミンK」「プロバイオティクス」なども多く含んでおり、身体に嬉しい食材と言えます。

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こんにゃく

色々な形のこんにゃく

 

こんにゃくに多く含まれる「グルコマンナン」は、こんにゃくを凝固させる際に「不溶性食物繊維」に変化します。「不溶性食物繊維」には、便の量を増やしながら排便を促す働きがあり、デトックス効果が期待できます。またこんにゃくは成分のうち97%が水分となっているため、低カロリーなのでダイエット中の方でも安心して摂取することができます。カルシウムも豊富に含まれているので、こんにゃく料理やこんにゃくを使ったスイーツなど日常的に摂取したい食材です。


  くずもち風こんにゃくスイーツ をチェック  

 

デトックスする際注意すべき点

普段の食事を見直していくことで、体の中から綺麗にしてくれるデトックス。その効果を得るためには、いくつかの注意すべき点があります。

水分補給をしっかり

朝にホットドリンクを飲んでリフレッシュする女性

 

まずしっかり水分を補給して利尿作用を促し、尿の量を保つことでデトックス効果をキープできます。1日の水の目安は1~2リットルほど。外出時も水を持ち歩き、こまめに補給しましょう。寒い日は約50~60度に温めた白湯がおすすめです。食事の時にはスープ・味噌汁などからも水分を摂りましょう。また就寝前・起床時は体の水分量が減るため、たっぷり水分を補給してくださいね。ただし水分の摂り過ぎは体のむくみの原因にもなるため、適量の水分を意識することが大切です。


  デトックス メモリーボトル をチェック  

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脂っこい食事や加工食品は避ける

鶏の唐揚げを揚げるシーン

 

毎日の食生活を見直して、脂っこい食事や加工食品を避けるようにしましょう。脂っこい食べ物は消化に時間がかかる上、レトルト・インスタント・お菓子・冷凍食品などの加工食品の食べ過ぎは体に負担となり、老廃物・毒素を溜めこみやすくなってしまいます。できるだけ体の毒素となる食べ物は避けてください。

適度な運動も取り入れる

スクワットをする女性

 

食べ物の消化を促したり、摂り過ぎた塩分を排出するために、適度な運動も取り入れるようにしましょう。強めの運動よりも、ストレッチや散歩など軽めの有酸素運動がおすすめ。水分補給をしっかり行いながら血流やリンパの流れがアップすると、余分なものを排出しやすくなりデトックス効果が期待できます。

おわりに

椅子に座った笑顔の女性

 

デトックスは体に不要なものを引き算し、体内のバランスを整えていきます。普段の何気ない食生活でも、デトックス効果が期待できる食材を少しずつ取り入れることで健康維持へと繋がります。無理なくデトックスを意識した食生活を始めてみてはいかがでしょうか。

若山あみさん

監修:若山 あみ

あさひの森内科消化器クリニック 管理栄養士
「あさひの森内科消化器クリニック」にて管理栄養士として勤務。保険診療で栄養指導を行う傍ら、ダイエット外来も担当。クリニックには美容皮膚科美容内科もあり、日々、食と健康と美について探求している。
https://sunrise-woods-clinic.com/