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Oct 07, 2025

【管理栄養士監修】デーツで得られる健康効果とは?美容・妊活にも嬉しいスーパーフードの魅力

ドライデーツ

スーパーフードのデーツが美容意識の高い人を中心に注目を集めています。どのような味がするのか、食べるとどのような効果があるのかということが気になっている人も多いことでしょう。

この記事では、株式会社WELL BE INDUSTRYの管理栄養士、久住瑠実子さん監修のもと、デーツの基本的な情報や健康効果について紹介します。特にプルーンやレーズンなどのドライフルーツが好きな人には特におすすめなので、参考にしてくださいね。

デーツはどんな果物?

デーツの木

 

デーツとはヤシ科の植物になるフルーツの1種。ナツメに似ていることから、日本ではナツメヤシと呼ばれています。主な原産地はエジプト・サウジアラビア・イランなどで、過酷な環境でも育つため「生命の樹」として、紀元前から健康維持に欠かせない食品として食べられてきました。

 

熟した果実はそのままでも食べられますが、主にドライフルーツとして販売されています。収穫してから乾燥させるのではなく、木になったまま乾燥させるため、太陽の光をたっぷりと浴びながらドライフルーツになります。日本ではまだ一般的ではありませんが、世界的にはレーズンにも匹敵する生産量で、多く食されています。

 

大きさは種類によって異なりますが、長さ3~7cm程度、中には種が1つ入っています。濃厚な甘味が特徴で、黒糖や干し柿に似ているといわれています。

なぜ注目されている?デーツに含まれる栄養素

ドライデーツ

 

ここでは、デーツに含まれる栄養素を紹介します。

鉄分・カリウム・マグネシウムなどのミネラル

デーツには、鉄分・カリウム・マグネシウムなどのミネラルがバランスよく含まれています。

特に女性や成長期の子どもは鉄分が不足しやすく、貧血の要因に。鉄分不足は疲労感や頭痛などの不調につながることもあるので、意識的に摂るようにしましょう。さらにデーツに含まれるカリウムは余分な塩分を排出する働きがあり、マグネシウムは骨を形成したり体内の代謝をサポートしたりします。

食物繊維

デーツといえば、なんと言っても豊富な食物繊維水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は腸内環境を整える効果があり、一方不溶性食物繊維は便のかさを増やして便通を整える効果があります。デーツは特に不溶性食物繊維が豊富なため、食べすぎると逆にお通じが悪くなることも。そのため、食べ過ぎには注意しながら、海藻類など水溶性食物繊維を多く含む食品と一緒に摂るのがおすすめです。【医師監修】便秘対策は朝ごはんから!習慣化のコツとおすすめ腸活食材、お手軽メニューをご紹介

βカロテン

βカロテンとは、抗酸化作用を持つビタミンAの一種で、活性酸素の発生や働きを抑制する効果があります。活性酸素が生成されると、動脈硬化・老化・免疫機能の低下などを引き起こすため、βカロテンは生活習慣病の予防や健康な肌を保つのに効果的といわれています。【管理栄養士監修】オクラの健康効果を徹底解説!栄養を逃さない食べ方も紹介

デーツの主な効果・効能

 

デーツを食べることで得られる主な効果や効能を紹介します。

便秘改善をサポート

食物繊維が多く含まれるデーツを食べると、消化器官の働きが良くなり便通の改善が期待できます。食物繊維が多く含まれている食材の代表でもあるごぼうよりも、1.3倍の食物繊維を含むため、便秘に悩んでいる人におすすめの食材です。ただ、食べすぎると逆に便秘になる可能性があるので食べる量には注意が必要です。

貧血予防や疲労回復に

デーツには多くのミネラルが含まれています。女性や子どもに不足しがちな鉄分は貧血予防に効果的です。デーツに特に多く含まれている銅は、ヘモグロビンの合成や免疫細胞のエネルギー代謝をサポートするため、疲労回復や免疫力の上昇が期待できます。【管理栄養士監修】うなぎの食べ合わせで効果倍増!梅干しはNG?本当に相性のいい食材とは

抗酸化作用で美容やエイジングケアにも

デーツには、100gあたり160μgのβカロテンが含まれています。紫外線やストレスによって増える活性酵素は、肌や内臓などに負担を与えて老化を進めてしまいます。抗酸化作用が強いデーツを食べることで、肌の老化やくすみ対策が期待できます。【美容皮膚科医監修】ビタミンCを摂ると日焼けがしやすくなるって本当?関係性を詳しく解説

血糖値の急上昇を抑える低GI食品として

甘味が強いデーツですが、GI値は意外と低いためダイエット中におすすめの食材です。GI値とは、食べ物に含まれる糖質の吸収度合を示す値で、低いほど食後の血糖値の上がり方が緩やかになります。血糖値が上昇してしまうと、インスリンが過剰に分泌され、肥満や糖尿病にもつながる可能性があります。【管理栄養士監修】ダイエット中に食べてもいいおやつって?太りにくい間食を選ぶポイントを解説!

妊娠中や授乳中の栄養補給にも

妊娠中に積極的に摂りたい葉酸もデーツには多く含まれています。中東では妊娠中にデーツを食べると丈夫な子どもが生まれるともいわれているほど。また、授乳中は鉄分が不足しがちなので、鉄分も多く含まれているデーツは出産前後の女性に特におすすめしたい食材の1つです。南部鉄器の正しい手入れ方法!使う前に知っておくべき基礎知識とは

漢方的観点からみたデーツの効果

漢方の気血水とは?

 

漢方では、人の体を支える基本要素として 「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」 の3つがバランスよく巡ることが健康のカギと考えられています。

 

●気:生命エネルギーのこと。体を温めたり守ったりする力で、発声や姿勢を保つ働きも担います。

 

●血:体に栄養と潤いを届ける源。肌や髪、目、爪、脳、筋肉の健康を支え、思考力や集中力のベースになります。

 

●水:血以外の水分。粘膜や関節を潤し、老廃物の排出や体内環境を整える役割があります。

 

また、不要な水分が停滞してドロドロした状態を「湿(しつ)」と呼び、体に不調をもたらす要因になるとされています。体に不要なものなので、湿邪(しつじゃ)や痰湿(たんしつ)、水毒(すいどく)などとも呼ばれます。

漢方からみるデーツの効果とは?

 

漢方の観点では、鉄とマグネシウムが含まれていることからデーツは「血(けつ)」を補うと考えられています。血は目にも栄養を与えており、βカロテンが含まれていることで、特に目に良いとされています。

 

さらに、カリウムや不溶性食物繊維を多く含むため、体内の水分バランスを整えたり、便通をサポートしたりするなど、「水」を補う効果も期待できます。また、漢方では甘味のあるものは体をうるおすとされるため、強い甘みを持つデーツはその点からも「水」を補う働きを持つと考えられます。薬膳スイーツで心と体をいたわろう♪自宅で手軽に作れるレシピを紹介

漢方からみるデーツが役立つとされる症状・悩み

血を補う作用から、デーツは「血不足」由来のさまざまな不調におすすめです。

 

・貧血や冷え、顔色の悪さ、疲れやすさ
・食欲不振や声に力がない、風邪をひきやすい
・髪のトラブル(白髪、抜け毛、枝毛、艶のなさなど)
・深いシワや肌荒れ、ニキビ対策
・睡眠の質の改善、集中力・記憶力アップ
・月経不順(月経量が少ない・間隔が空くなど)

 

デーツは甘くて美味しいだけでなく、漢方的にも「血」と「水」を補う食材。美容や健康を気遣う人にぴったりの自然の恵みといえるでしょう。プロが伝授!誰でもできる薬膳の取り入れ方と冬の体調を整える簡単レシピ

デーツのおすすめの食べ方や摂取量

ここではおすすめのデーツの食べ方を紹介します。また、一日の摂取目安量も解説するので、参考にしてみてくださいね。

そのまま食べる

 

デーツはドライフルーツとして販売されていることが多いため、そのまま食べることができます。甘味が強いので、間食や食後のデザートとしてそのまま食べるのがおすすめ。中東ではコーヒーと一緒に食べることが一般的。そのほかに紅茶とティータイムに楽しんだり、ワインなどのお酒のおつまみにしたりして食べてみてはいかがでしょうか。スパイス香るカルダモンコーヒーの魅力|効能や作り方、アレンジも紹介

シロップにする

デーツ

 

デーツとお水を1:1でシロップにすると、砂糖の代わりとして幅広く使えます。また、煮物に刻んだデーツを加えて一緒に煮込めば、自然な甘みとコクが出てヘルシーに仕上がります。

アレンジしてデザートや料理に

デーツのケーキ

 

デーツの甘味が強すぎると感じる場合は、バゲットやクラッカーに乗せて食べてみるのもおすすめ。ヨーグルト・チーズ・バターなどの乳製品との相性がいいので、デーツを刻んで混ぜてみましょう。

 

またレーズンやクランベリーなど他のドライフルーツの代わりに、パウンドケーキやクッキーの材料としてスイーツ作りにも使えます。デーツを刻んでサラダに入れたり、煮物やスープの甘味を足すために砂糖の代わりに使ったりしてみてください。野菜のスイーツレシピアイデア♪栄養を摂りながら美味しく野菜を食べよう

食べすぎ注意!1日あたりの目安量

 

デーツは多くの栄養素が含まれていて、健康によい食材で低脂質です。しかし、糖質やカロリーが高めなので、多く摂取してしまうとダイエットや美容効果が薄れてしまいます。

 

小さめのデーツ1粒あたり20gで50kcalなので、1日2~4粒程度が摂取量の目安です。毎日適量を食べ続けるのがおすすめですよ。

 

一方で、体質によっては摂取量に注意が必要です。特に、むくみやすい方、水分を摂るとお腹がチャポチャポする方、じゅくじゅくした湿疹や白ニキビが気になる方は要注意。漢方的にも、デーツは「湿をためやすい」性質があるとされているため、まずは1日1粒程度から様子を見るのがおすすめです。

デーツに関するよくある質問Q&A

デーツとなつめの違いは?

 

デーツとなつめは似ていますが、植物学的には異なる種類です。なつめは、クロウメモドキ科の植物で、原産国は中国。漢方料理や韓国料理のサムゲタンに入っています。デーツよりも一回り小さく、味は甘酸っぱくりんごに似ているといわれています。

デーツとプルーンはどっちがいい?

 

鉄分が多く、便秘対策にもよいとされるプルーンとデーツはどちらを食べた方がいいのでしょうか。腸内環境を整えて便秘対策を目的とするなら、糖アルコールも含まれるプルーンがおすすめです。一方、デーツはカリウムと食物繊維が多いので、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病の対策をサポートできます。目的に合わせて選んでください。

デーツは毎日の健康習慣におすすめ

 

デーツは栄養が豊富で、中東ではスーパーフードとして親しまれています。腸内環境を整えたり、妊娠や出産に必要な栄養素を補ったりできます。ドライフルーツとして販売されていることが多いため、そのまま食べることができ気軽に取り入れやすいのでおすすめです。料理やスイーツにも使えるので、ぜひデーツを食べてみてください。【管理栄養士監修】アサイーの効果とは?美容と健康にうれしいスーパーフードの魅力

 

久住 瑠実子

久住 瑠実子

病院管理栄養士/うるおい漢方講師/未病栄養コンサルタント(分子栄養学)/Jr.母子栄養スペシャリスト

管理栄養士歴14年、大阪市在住。2013年に結婚、現在3姉妹を育てながら病院フルタイム勤務と個人事業を両立。「美味しく食べて美しく」をモットーに「日本の医療費1億円削減を担う人の一人になる」ことをビジョンに掲げる。3ヶ月で “自分の体の音を聴き、自分の心と対話できる女性” を育て、家族に食の処方箋を出せる母をサポートすべく「うるおい漢方コンシェルジュ養成講座」を開講している。

古泉葵

written by...古泉葵

2020年よりフリーランスとして活動中のWebライター。趣味は読書と手芸と料理。食べ歩きも好きで、夫婦で旅行に出かけることが好きです。